パイ焼き茶房(社会福祉法人はる)@尾山台
美味しいアップルパイが食べられるパイ焼き茶房さんに行ってきました。4月14日に田園都市線・桜新町駅の桜神宮で開催される「ユメへの作戦会議」にマルシェとして出店してくださる関係でご挨拶に伺いました。(パイ焼き茶房さんは前回も参加の常連さんです)
1.東急大井町線・尾山台駅
世田谷区でも静かな商店街が残る尾山台。同じ沿線でも自由が丘や二子玉川の賑わいとは違って、住みやすそうな街だ。駅から徒歩2分のところに社会福祉法人はるさんが運営する「パイ焼き茶房」がある。
一般的に社会福祉法人は駅から遠い、家賃の安いエリアにある。お金がない中で切り詰めてやっているという前提で運営されることが多いからだ。
しかし、パイ焼き茶房さんまでは2分足らず。世田谷・駅近。そして、びっくりするくらい素敵なお店が「パイ焼き茶房」だった。
2.「令和」対応
お店に入って真っ先に目に飛び込んできたのが「令和」の文字。対応はやっ!
社会福祉法人と聞くと「できていなくてもいいでしょう」という空気を真っ先に感じるものだが、店員さんの受け答えから店の立地、内装に至るまで並みの飲食店以上だ。
3.鹿島理事長
鹿島理事長自らが忙しい時間の合間で対応してくださった。そして、その話の内容が濃すぎて、驚きの連続だった。
「ユメへの作戦会議」に出店していただくようにお願いした時にも二つ返事で承諾してくださったのがパイ焼き茶房さん。スタッフが一生懸命にお菓子を焼いたとしたら、それに陽の光が当たるようにするのが代表者の務め。しかし、実際には「そういうのには興味がありません」「出店しなくて良いです」という施設ばかり。
こうやって、代表者がスタッフの頑張りに蓋をしている。福祉の良くないところだと思う。この辺りの理念に強く共感しつつ、話を伺った。
「社会福祉法人 はる」では福祉出身の人と企業出身の人が共に働いているという。資本主義社会が障害者を排除している側面がある一方で福祉の側も「私たちはそこまで頑張りません」と壁を作っているのが日本の福祉の現場だと思う。
最大限の頑張りの前に言い訳が立つ。しかし、それではいけないと売り上げを確保して、資本主義社会の中にしっかり根を下ろしているのが「社会福祉法人 はる」だ。
4.仕事とは何か?
パイ焼き茶房では仕事の責任ややりがいを感じてもらうために分業をしないのだという。
一般的に福祉施設では作業を細かく分業にして、「あなたはこれをしていればよい」という役割を指示する。その方が確かに難易度は下がるがそれでは自分が何かをやり遂げた達成感もなければ、全体を通して俯瞰する力も身に付かない。
パイ焼き茶房さんではひとつの仕事を一人でやりきることで「仕事とは何か」を伝えているのだという。とても頭がさがる思いだ。
5.やりがいと仲間
1万円・3万円・5万円・10万円に壁があるのだという。1万円稼げるようになると自分が食べたいお菓子などが買える。人に与えられたものではなく、自分で選ぶことができる喜びが1万円にはあるのだという。そして、3万円稼げるようになると服が買えるようになる。自分好みの服を選ぶことで生活に色がつく。さらに5万円になると人にお土産を買ったりお礼ができるようになる。5万円を意味なく与えられたのではなく、自分の血と汗と涙で得たからこそそういう流れになるんだなと感じる。10万円稼げるようになると生活することを考えるようになるという。そう考えると今の日本の福祉はそれができているのだろうか?ありがたみも感じずお金を手に入れて、その生活に甘んじているだけになってはいないだろうか?
そして、人がその職場に定着する動機は「やりがい」と「仲間」なのだという。答えを聞いてみれば当たり前だが、多くの企業でその言葉が出ない。
6.レモンカレー
この「パイ焼き茶房」のウリのひとつはアップルパイなのだが、もうひとつのウリが「レモンカレー」だ。この認知不協和そのもののような料理名。食べないわけにはいかない。
カレーそのものもとても美味しいが、これにレモンをかける。カレーとレモンが何ともあうのだ。あまりの美味しさにレモンをかけてからはあっという間に完食してしまった。ぜひ、尾山台にお越しの際はレモンカレーを食べてみてほしい。
7.福祉のあるべき未来
私たちが運営するNPO法人 ユメソダテはまだまだこれからの団体だ。福祉の大先輩にあたる組織の代表者の話に福祉のあるべき未来を見ることができた。
今日の気づきを今日から生かしていきたいと思った。
4月14日 ユメへの作戦会議@桜新町にパイ焼き茶房さん。出店してくださいます。ぜひ、桜神宮まで遊びに来てください。