平成31年度精華学園高等学校 町田校入学式 式辞
精華学園高等学校 町田校 校舎長 椎名雄一の平成31年度の式辞をご紹介します。
式辞
新入生の皆さん、保護者の皆様、精華学園高等学校に入学おめでとうございます。私は、町田校校舎長の椎名です。 入学式のこの日にみなさんに短く3つの話をしたいと思います。
自分の好き嫌いを大事にする
1つ目は「自分の好き嫌いを大事にする」ということです。みなさんが好きな食べ物は何でしょうか?僕はお肉が大好きです。矢部先生は 辛いものが好き。ゲームが好き、ファッションが好き、絵を描くことが好き、 ディズニーが好き、料理が好き、、、いろいろあると思います。僕が肉を好きなのはみんなが知っているので、「焼肉いきませんか?」とよく誘われます。僕の周りにはお肉に詳しい人やお肉が好きな人が集まってきます。もし、みなさんがゲームが好きならゲームの仲間ができるかもしれません。絵を描くことが好きならそういう人が集まってきます。でも、何が好きで何が嫌いかがわからなかったら周りの人もどんな時に声をかけて良いかわかりません。自分が好きなこと、嫌いなことを見つけて、それをみんなに知ってもらえるようにしてみてください。好きなお菓子、好きな音楽、嫌いな科目、なんでも良いのです。それの積み重ねがみなさんの未来につながっています。みなさんの先輩の中には歌やダンスが好きでこの前ライブデビューした生徒もいますし、 ゲームが好きで高校生で日本一の生徒もいます。
できるできないを気にしない
2つ目は「できるできないを気にしない」という話です。「できなさそうだからやらない」という言葉をよく聞きます。お医者さんでも画家さんでもサッカー選手でも「医者になろう!」「画家になろう!」「サッカ ー選手になろう!」と思った瞬間はおそらく何にもできません。それから勉強したり練習したりしてできるようになっていくのです。みんな最初は「やりたいと思ったけれど、できない」から始まっています。全くできなくてもいいから「やりたい」ことを見つけて、人に話したり、挑戦してみてほしいと思います。
みなさん。ワンピースという漫画をご存知でしょうか?ワンピースの主人公の「ルフィ」が「海賊王に俺はなる」と言い始めたのが1997年です。みなさんが生まれたのは ・・・ですよね。みなさんが生まれるはるか前からルフィは海賊王に俺はなる!って言って、コミックスも90巻を超えています。でも、最近読んでないので教えてほしいのですが、海賊王になった?なっていないよね?ルフィは20年以上も「できないけどやりたい」「海賊王になりたいんだ」と言い続けているんだよね。でも、言い続けているうちに仲間が増えたり、実力も付いてきて、海賊王に近づいてはいるのかな!大事なことは海賊王になれることよりも海賊王を目指すことなのかもしれませんね。
だから、「できない」と思っても「やってみたいな」「なってみたいな」と思っ たら挑戦してみてほしいと思います。
仲間
最後の 3 つ目の話は「仲間」です。さっきワンピースの話をしましたが、海賊王ってひとりでなれるものじゃないんだよね。仲間が必要です。知っている方も多いかもしれませんが、今こうして校長先生をしている私も30歳まではひきこもりでした。 話はそれるけれど、 3 年間、5 年間不登校だったから、と悩んでいる人がいたら、 私に相談してください。私はそのまま30歳までゴロゴロ、ゲームをしていたからね。
さて、30歳までひきこもりをしていた私が働き始めてしばらくして「高校をや りたい」と思っちゃったんですね。私は工学部の出身ですし、ひきこもってい たからお金もありません。それでも「高校がやりたい」「高校がやりたい」とい い続けていたら、山口県で精華学園高等学校を作った人が「町田に高校を是非 作ってください」とチャンスをくれました。学校を始める許可はもらいました が、私は教員免許も持っていませんし、教育学部を卒業していません。なので、 そこにいる矢部先生に協力してもらって、学校を始めました。あとは省略しますが、たくさんの人が「仲間」になってくれてこの学校があります。
「やりたい」というと「仲間」が集まります。 全部自分でできなくても「仲間」が助けてくれます。
精華学園高等学校 町田校では私や先生や卒業生、カウンセラーのみんなが「仲 間」になります。もちろん在校生も皆さんが仲間です。 必要があればプロの「漫画家さん」や「美容師さん」「農家の人」「デザイナー」 の仲間を私が連れてきます。少しでも「こういうの好きかもしれないな」と思うものがあったら相談してください。好きなことをしまくって生きていけないか一緒に考えましょう。
ありがとう
さいごに4つ目になっちゃいますが、大事な話。
何かをしてもらった時にはかならず「ありがとう」と言いましょう。人は「ありがとう」と言われると嬉しくなって、また協力したいなと思うもの です。できるできないの話をしましたが、これだけはできるようになってください。
「短く話す」と約束したのに長くなっちゃいましたね。この辺りでお話を終わりにしたいと思います。
あらためまして、みなさん、ご入学おめでとうございます。
以上をもちまして、式辞とさせていただきます。
平成31年4月10日
精華学園高等学校 町田校校舎長
椎名雄一
保護者の方の中には、涙ぐまれている方もいらっしゃいました。
生徒たちも、
「今までの校長先生が教えてくれなかったことを教えてもらった。」
「心に刺さった。」
と言っていました。
一緒に大笑いして、一緒にゲームして、一緒にタピオカジュース飲んで、一緒に自撮りで盛り上がって、話も真正面から聞いてくれて、背中を押してくれて。近くにいてくれる校長先生です。
そんな椎名の心のこもった温かい式辞でした。

注意)椎名はアドリブで話をするのが得意なので、実際にはアドリブで手を振ったり、言葉を挟んだりしています。原稿を作ってもみんなの顔を見て変化させるのが椎名の式辞です。