通信制高校
目次
通信制高校への思い
通信制高校 精華学園高等学校 町田校を開校してから10年になります。
30歳まで引きこもりだった私が社会復帰するのは大変なことでした。学校を起こして、経営をするなど当時にしてみたら途方もない話でした。
なぜ、それでも私が高等学校の経営がやりたかったかというと「医療」や「福祉」「行政のサービス」では高校生は救えないと思ったからです。彼らには補助的なさまざまなサービス、支援は必要ですが一番重要なのは「居場所」です。
塾やフリースクールなども「居場所」にはなります。
しかし、高校を卒業したことにはなりませんから、「専門学校」には行けません。もちろん、大学にも行けません。「高卒」が要件になる場所全てに入れなくなるのです。
だったら、「正式な高等学校」として彼らをサポートすべきではないか?
それが私が高等学校の経営を始めた理由です。
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教育理念
従来の高等学校で優先されてきたのは「進学率」「偏差値」などです。何も考えずに勉強にむかえる生徒や運良く明確な人生設計ができた生徒はそれで良いかもしれません。しかし、多くの生徒は「何でこれをしなくてはいけないの?」と思いながら勉強をしています。
1.25歳を考える教育
中学校の先生の多くは高校に進学させればよいと考えています。高校の先生もそうです。彼らが大学生になって途方に暮れてもそれはあまり関心がありません。次に進んでくれればそれでよいのです。
そんな一時しのぎの教育をしているから「算数が得意」「数学が得意」「理系が向いている」「理系に進学」、、、「本当は文章を書きたかったことに気づく」というようなつぎはぎの人生になってしまいます。
スポーツ選手に憧れた人。孫正義氏に憧れた人。ホリエモンに憧れた人。ユーチューバーに憧れた人。道はそれぞれ違っても彼らは自分の意思で長期間にわたって同じ方向性で人生を歩むことができます。
25歳の頃、「誰みたい」になっていたらよい?
中学生の頃からそれが見えている子は少なくありません。それを見せる教育も不可能ではありません。大人がそのチャンスを作ろうとしていないだけです。
2.ゲームからでも未来が見える
多くの保護者や教師は「ゲーム」という単語に古い偏見を持ちすぎです。
子どもたちが夢中になっているゲームは「パックマン」や「ドンキーコング」ではありません。さまざまな要素が絡み合い、人との関わりがあり、ある意味で頭を使うのが現代のゲームです。
ゲームから職業が見える
ノウハウになるので簡単にご紹介できませんが、ゲームを横で見ているだけでその子の「長所」「癖」「性格」「進路」が見えてきます。「適職」もわかります。単純な大人は「ゲーマー」「e-sports」「プログラマ」のようなことを言いそうですがそうではありません。ゲームを見ていたら「弁護士」「医師」「検査技師」「調理師」「営業」「教師」などの職業が見えてきます。
ゲームに勝てない大人の罪
ゲームは確かに魅力的です。しかし、「その大人が話しかけたら子どもがゲームをピタッとやめる」そんな大人はたくさんいます。
子どもたちは常に答えを言っています。
「ゲームより夢中になれるものを教えて欲しい」
それを教えてあげて、それでゲームは終わりじゃないでしょうか?思いつかないとしたらそれは大人の方に問題があるかもしれません。
3.日本中が間違っている不登校対策
子どもが不登校になったら、家のテーマが「不登校」になります。
多くの大人が友達が「不登校」というテーマで関わってきます。そういう視線を向けてきます。世界にそれしかないかのようです。
踊らされる大人たち
20年くらい前、「うつ病」という単語が流行り始め、一般的に普及しました。今ではその単語を知らない人は少ないでしょう。抗鬱薬が売れ、精神科バブルとよばれる「多くの人が精神を病む時代」になりました。
「アダルトチルドレン」「毒になる親」という言葉が流行った時期もありました。
次に「発達障害」という単語が流行り始め、一般的に普及しました。
最近は「起立性調節障害」「感覚過敏」「場面緘黙」あたりでしょうか?聴覚過敏の人のためのヘッドホンが飛ぶように売れています。そして、精神科は3ヶ月待ちが当たり前になりました。それぞれの業界はバブルになりました。
うつ病にはたくさんの種類があります。発達障害も起立性調節障害も細分化するとたくさんのパターンがあります。100を超えるパターンを全て知らないといけないかのようです。これは大変な社会になったと思えなくもありません。
でも、目の前の自分の子どもは100人いるわけではありません。受け持ちのクラスの生徒が100人いるわけでもないのです。目の前の1人を理解すれば済むことなのに難しいことを勉強している人がたくさんいます。
不登校博士・発達障害博士の誤算
不登校博士、発達障害博士のような人が増える一方で目の前の我が子を知らない人が増えています。「うちの子はアルペルガー障害があって、こういう場面では、、、ゲームばっかりしているんです!だから、学校からこう言われて、、、」と我が子のことを説明しますが、、、
「で、どんなゲームで何をするのが好きですか?」
と尋ねると「えっと、なんか撃ち合うやつですよね〜」とゲームの名前すら出てきません。発達障害の定義を覚える前に我が子が好きなゲームの方が大事ではないでしょうか?「最近のゲームはわからない」と言って発達障害の勉強会に参加する前に「ユーチューブ、ゲーム名」で検索すればいくらでもそのゲームの動画があるのにと思います。
我が子が唯一興味が持てる「ゲーム」を調べもせずに否定して、発達障害の定義を押し付ける。これで問題が解決すると考えることのナンセンスさに気付けないのは踊らされすぎではないでしょうか?
「不登校」100%の家で回復する
家の空気が「不登校」というお家に住んでいて、どうやって楽しい気分になったらよいでしょうか?じっと観察しながら「今日は動くかな?」という空気を出されたら「今日は動けない」と思いませんか?
子どもの回復を願うと言いながら家の空気を「不登校一色」にしているとしたら本末転倒です。
有名な話ですが、自殺防止キャンペーンをすれば自殺者は増えます。
抗鬱薬の宣伝をすればうつ病患者が増えます。
ほとんどの子どもが抱えている問題をこじらせているのは「不登校」や「発達障害」が大好きな大人だということに気づいて欲しいなと思います。
4.欲しい未来を見つける手伝い
子どもたちはどれくらいの種類の職業を知っているでしょうか?いやそれ以前に保護者はどれくらい知っているでしょうか?
子どもたちに
「25歳の頃にはそうなっていたい」と思わせる職業はいくらでもある。
食品サンプルを作る仕事。工場で野菜を作る仕事。企業向けに漫画を描く仕事。コスプレのグッズを専門に作る仕事。日本の文化をインスタで海外に伝える仕事。高齢者が元気になるVRコンテンツを作る仕事。仕事をゲーム化する仕事。自分の地元(田舎)に産業を作る仕事。100年後の海の水を変えるために木を植える仕事。バーチャルユーチューバー。民泊。社会をデザインする仕事。ライター。着物文化を海外仕様にアレンジする仕事。障害を持った芸術家のマネージャーの仕事。ゲーム大会の主催者。テーマのあるゲストハウスの経営。
外部講師の特別講義
そんな職業を100個見せてから「将来どんな仕事をしたい?」と聞くのと国語算数理解社会英語を同じメンバー、同じ部屋でずっとやらせてから聞くのではどちらがよいだろうか?
そんな当たり前を実現するために精華学園高等学校 町田校では「外部講師の特別講義」として、上記のような職業をしている生き生きとした大人に講義をしてもらっています。
ボランティア活動
生徒が「福祉に興味がある」「教育に興味がある」「エンターテイメントに興味がある」と言い始めたらその現場に入ることが未来につながります。
小学校の先生になりたい生徒が「放課後等デイサービス」に通って、大人と同じ研修を受けて小学生の対応を続けていたら高校を卒業するころにどうなるでしょうか?
「◯◯をより深く知るために大学に通いたい」と思ったり「◯◯が自分にはどうしてもできないから他の業種がよい」となるかもしれませんが、机上の空論を言っている人とは天と地ほどの差があります。
5.心理学講座
仕組みを理解することで問題を簡単に解消することができます。
生徒向けの心理学講座
精華学園高等学校 町田校ではカリキュラムの中に「心理学講座」があります。生徒のコミュニケーション能力向上やセルフケアという効果だけでなく、人の痛みを知り手を差し伸べられる「カウンセリングマインド」を育てることにも役に立っています。
卒業後、心理カウンセラーを目指したり、教育福祉業界に進む生徒にはもちろんのこと他の進路を目指していてもそのカウンセリングマインドが役に立ちます。
保護者・教育関係者向けの心理学講座
保護者や教育関係者が心理学を知っていると少ない労力で同じ効果を出すことができるようになります。
例えば、幼稚園では「座れやほい」と言って子どもたちを座らせていたりします。「座りなさい!なんで座らないの!!」と100の苦労をするよりもその事実を知って、家で「座れやほい!」と言えば子どもは喜んで座ります。たったそれだけです。「いただきますのご挨拶どうぞ」と言えば「いただきます」と言うのです。
「ゲームのやめさせ方」「不登校の解消方法」「昼夜逆転の治し方」「依存症の治し方」知らないで工夫していて疲弊してしまうのは当然かもしれません。
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