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IRORI場〜赤城乗馬クラブ〜

 2019/08/04 里こもりプロジェクト
この記事は約 8 分で読めます。 1,326 Views

みなさん、いつも読んでくださってありがとうございます!玉木です。IRORI場レポート第5弾!今回は赤城乗馬クラブでのレポートです。

小さい頃、動物園でウキウキとポニーに乗っていた玉木なので、お馬さんに興味があります!!今後、ホーストレッキングができるようになるみたいなので、ご興味のある方は要チェケら!です。

赤城乗馬クラブ

7月上旬、吉岡町にある「赤城乗馬クラブ」さんで、馬の仕事のお手伝いをさせていただきました。 僕にとっては何もかも初めての体験で、馬の世界が想像以上に奥深く、繊細で、素晴らしい環境だということを知りました。 馬達の生活を間近で感じたことで、『ただ乗るだけじゃない、新しい乗馬体験のカタチ』が提供できるのではないか、と思い描いています。 今回はほんの一部ですが、僕が体験した馬の世界をレポートさせていただきます。

体験レポート

赤城乗馬クラブさんは25頭の馬と、2匹のポニーと、2匹のヤギを抱える大きな乗馬クラブだ。 そこを10名の社員さんと、日ごとに訪れる会員さんたちとで運営している。

当日は朝9:00に現地に集合。 到着すると、もうみなさん作業を始めている。

担当の林さんへご挨拶をすると、すぐに仕事に取り掛かることに。 どうやらもう仕事は始まっている時間らしい。遅くなってしまったか?

ぼくは引地さんという女性のかたにお仕事を教わることになった。 気になったので「もうこれは皆さん仕事を始めているのですか?」と聞くと、 『特に朝礼というのはなくて、みんなふわっと始めてふわっと帰るんだよ。 仕事が終わればオッケーだから』と教わった。

また、月謝を払っている会員さんがふつうに仕事をしていることも不思議だった。 例えるなら、スポーツジムの会員が筋トレマシンの点検や部屋の清掃をしているといった感じだ。

「自分が乗った馬だから」、「スタッフさんが大変そうだから」などみんな理由は違えど、 多くのサービス業がファン化をさせてなんぼというビジネススタイルになってきている昨今、 なんとも現代らしい業務スタイルだなぁと感心した。

放牧

まず始めにおこなったのは「放牧」という、馬を引いて外に出す作業だ。 馬に乗ったことも触ったこともない僕たちにとっては、 いきなり難易度の高い仕事のように思える。

しかし、よくみると小さな子どもが自分の何倍も大きい馬を1人で引いている。 聞くと中学2年生だという。もっと小さい子たちもいる。 みんな小さい頃から馬と触れ合っているので、馬も安心して進めるのだという。

中には社員さんでもまだ扱えない馬を手なづけている小学生もいるらしい。 ものすごく質の高い教育だ。

『優しい馬なら大丈夫だから』と、いきなり僕たちも馬を引かせてもらうことになった。 その日にレッスンや体験が入っている馬は馬房に残すので、誰を出して誰を出さないのかしっかり確認する。

馬によって外で放牧される区画も違うので、それも確認しないと後戻りはできない。 しかもそれはほぼ週ごとに入れ変わるらしいから大変だ。

引くときは、馬の方はなるべく見ずに、まっすぐ前を向く。 道端の野草を食べられないように左右の距離に注意しながら歩く。 そのほか注意点をいくつか聞き、さっそく「無口」と呼ばれる装具を口にかける。 馬の閉じた口に通してから後ろに回し、耳にかけて、装着する。

慣れているからか、馬が自ら顔を装着しやすい位置にもってきて手伝ってくれた。 「とっても優しい子なんですね」というと、 引地さんは慈しむ目で馬を見つめながら『馬はとても優しい動物だから』と教えてくれた。

『ずっと雨降ってたから外に出たがってるね』。 そう言って、さっそく外に連れ出してあげる。 無口に繋いだロープをつたって、馬の呼吸が伝わってくる。

人と同じで一頭一頭の性格が違うので、歩くスピードも、引く人との距離感もまったく違う。 「早く外に出たいよ!」と小走りになる子もいれば、 「ひさしぶりに晴れたなぁ〜」と景色を見ながらゆったりまったり歩く子もいる。 なんだかとても優雅な時間だった。

馬房の掃除

馬を放牧し終わったら、次は馬の住み処の「馬房」を掃除する。 フォークと呼ばれる器具を使ってボロ(馬糞)を取る。 おがくずまで全部持っていかないように、フォークをふるってボロだけを取る。

このボロを振るう作業が簡単そうに見えて実は難しくて、 おがくずと一緒にボロも落としてしまって何度もやり直した。 腕の筋肉も使うから、馬房の隅から隅までふるうとけっこう汗をかく。 でも他のことを一切考えずに身体を動かし続けるとだんだん無心になっていって、 まるで瞑想のようだった。

運動不足のカラダにはちょうどいいし、かなりオススメの運動だ。 そして、ふるったボロは一輪車に乗せていっぱいになるまで積み上げる。

ボロ・マウンテン

一輪車がいっぱいになったら外に持っていく。 通称「ボロ・マウンテン」というボロの山だ。 関係者しか通れない道を歩けるのもお手伝いの醍醐味だ。

この道を通り、坂を下り上がりする。 するとすぐに目の前にボロマウンテンが現れた。

馬糞は肥料としてもとても有能だ。 ほっておいても勝手にキノコが生える。

だいたい3差路に分かれているので、自分のやりやすいところにボロを捨てる。 どどーん!と勢いよくやるのがポイントだ(別にやらなくてもいいがスッキリする)。

これらの作業を繰り返して、馬房を掃除していく。 1つの馬房を掃除しきるのにだいたい20分ぐらいかかってしまったのだが、 小柄な引地さんは5分少々で完璧に掃除を終わらせていた。 さすがプロ…。

少々凹んで、遅くてすみません。と謝罪してみたら、 「いいのいいの!はじめは早さよりも正確さだから!むしろ隅々までやってくれて嬉しい!」と言ってくれた。 林さんにも同じように言ってみても、同じことを言われた。 馬のお世話をしている人たちはみなさん優しい。

中のボロ取りが終わったら、今度は外の区画のボロ取りもする。 区画の中にはにはさっき連れていった馬がいるので、 後ろ側に立って蹴られないように注意が必要だ。 なぜか子馬のところだけはスペースが広く、またとても人懐っこいので大変だがやってて楽しい。

外のボロが取れたら、つぎは中の馬房に新しいおがを入れる作業だ。 一輪車をおがで満タンにして上から叩いて固める。

一回一回がけっこうな重量なので、この日の蒸し暑い天候の中で4往復したら、 すぐに汗だくになった。 けれど普段はこれを6〜12往復ぐらいするらしい。しかも2人で。しかも毎日。

途中で引地さんもおがを運んでいたのだが、まさに光のごとき速さだった。 馬のお世話をしている人たちはみなさん優しくて、強い。

人参のカット&洗い

次は子供たちに混ざって人参のカット&洗い。 「やっぱり馬といえば人参なんだ!」とおもったのだが、 実は馬にとって人参は『オヤツ程度』らしい。

今回は近くの農家さんが大量に持ってきてくれたのであげるのだという。 ひたすらカットして、洗って、一輪車に乗せる。

一輪車を引いて回っていると、お腹をすかせたお馬さんたちが 「早くくれ〜」とのぞいてくる。 いつも16:20に夕ご飯をあげるのだけれど、その数分前から馬たちが催促して大合唱が始まるらしい。 今日はいっぱい動いたし、お腹すいたよね。

赤城乗馬クラブの影のドンである「スーさん」も様子を見に来てくれた。 とても人懐っこい方で、初対面のぼくにも優しくニャーと挨拶してくれた。

締めの掃き掃除

最後に、馬房のある廊下の掃き掃除。 今日1日手伝いをさせていただいた感謝の気持ちを込めて掃除をした。 いい汗かいて、いろんな知識と経験を得た1日だった。

終わりに

今回、赤城乗馬クラブさんをお手伝いさせていただいて、 特殊な馬の世界や仕事の内容を体感できたこと、 そして馬と直接ふれあえたことはとても良い刺激になった。 今まである「乗馬体験」は、すでに装備を整えた馬に少しの間乗るだけで終わりだった。

でも、例えばこうしたらどうだろう。 馬と一緒に歩いて呼吸を感じて、名前や特徴を知る。 住処を掃除して生態を理解して、知識を深める。 どういう装備をつけるのか確認して、職員さんたちの心遣いを感じる。 その上で乗る背中と、なにも知らないで乗る背中。 どっちの方がよりいいだろう。

ぼくたちが地域の人たちと一緒になって目指している『体験プログラム』は、 「消費」だけで終わりではなく、 「人生経験」として心で持って帰ってもらえるものにしたい。 だからこそ、少しは大変なこともあるだろうけど、それこそがほんとうの癒しになるし、 もしかしたら体験してくれた人の人生を変えるキッカケになるのではないかと、ひそかに感じている。

おまけ

この記事を読んで、こないだ生徒に「動物って不思議な力持ってますよね!!!」と目を輝かせて言われたことを思い出しました。その生徒は、自身が辛かった時、家族の犬にとても助けられたことを教えてくれました。

馬と触れ合うことで、何か救われる部分もあるんじゃないかと思う。物質的なものではないから伝えにくいですが、そんな伝えにくい何かを、実際に会いに行って感じて欲しいなと思います。

改めて赤城乗馬クラブに

日を改めて、赤城乗馬クラブに椎名がお邪魔した。林さんは忙しい作業の中でも丁寧に仕事のこと、馬のこと、広大な乗馬クラブのことを話してくださった。ぜひ、今度は馬に乗りたい。

この馬はこうだよ、、、と
一頭一頭性格を教えてくれた
「UMAのシャツを着てくればよかった」
ここの馬はやたらでかい!
「黒王号か!」と椎名
※黒王号は北斗の拳のラオウの馬

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yuichishiina

yuichishiina

精華学園高等学校 町田校舎長・一般社団法人 日本心理療法協会代表理事・NPO法人ユメソダテ 理事 など。悪い人がいるのではなく、理解し合えていないことが問題。と人と人との心をつなぐ活動を展開中。

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