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シンフォニア東武(特例子会社)@押上 見学

今日の「椎名雄一」
この記事は約 5 分で読めます。 3,913 Views

東武鉄道株式会社の特例子会社の「株式会社シンフォニア東武」様を見学しに行ってきました。

「ひきこもりよりさとこもり」の活動をしていると、就労で苦労されている人とたくさん出会います。その多くはちょっとした問題なのですが、それを解消できる会社が多くありません。

今日は障害のある方の雇用を「CSR(企業の社会的責任)」「東武沿線地域への貢献」という2つのテーマから推進している「シンフォニア東武」にお邪魔して、どんな風に働きやすい職場を作っているのか?どんなふうに仕事を受注しているのか?などを学んできました。

1.スカイツリーの真下

押上駅を降りて、スカイツリーを見上げながら少しうろうろしていると「シンフォニア東武」の職場に辿り着きました。先日の講演会ですでに顔なじみの皆さんの顔が見えて、「ああ!ここだここだ!」とようやくホッとすることができました。

私たちの仕事のやり方は

・大きく元気なあいさつで職場を明るくします。

・日本一の笑顔で職場を明るくします。

・一生懸命の掃除配達で職場を明るくします。

とあるように、ドアを開けた瞬間に皆さん日本一の笑顔であいさつしてくださいました。もちろん真剣に仕事をしている最中ですので全員ではないにしても特例子会社を見学してこれほど素敵なあいさつをされたのはパーソルサンクスさん以来かな。

2.駅のポスター

駅に貼られる大きなポスターに掲載期限の日付をつけて、くるくると必要な枚数丸めて、包装する。それを東武鉄道の各部署や各駅に配布する。これから掲示されるポスターを扱うので「これからこれを仕掛けるのか!!」のようなものがわかるのも楽しみのひとつだという。

シールの位置は決まっているわけではなく、その時々のポスターのデザインでどこに貼るのかを決めるのだと言う。そのためにスペースを空けたのではないかと思ってしまうほどピッタリなスペースを発見して、シールを貼っていた。

別の場所では間違えがないように何度も何度もポスターを数え「よし!」と言いながらポスターを綺麗に丸めていた。あまりの手際の良さにずっと作業に見とれてしまった。機械のように繊細で丁寧な手さばきでどんどん丸めていく。丸めるべきポスターやカレンダーが入った箱がそこら中にあった。

できた書類の束やポスターを必要な枚数、棚に配っていく。

これを間違えたら、全く違うところに送られてしまって行方不明になってしまうと言う。責任重大だ。

シンフォニック東武さんの方針で、基本的には作業をする人たちが間違えない方法を相談しながら進めていくのだという。指示を出す姿。それをテキパキとこなす姿はかっこよかった。

3.名刺をバラバラにする機械

そんな見学の最中、珍しい機械を発見した。

A4サイズの紙を右から入れると、左から名刺サイズにカットされた髪がカタンカタンと落ちる。なんて楽しい機械なんだ!

「この機械ください!」

「ダメですね」

そんな会話をしながら名刺がどんどん出来上がっていくのを見ていた。異動が多い3月には大量に名刺をする仕事が来るのだという。

4.できるだけたくさん雇用する工夫

たくさんの人を雇用するには安定してたくさんの仕事が必要だ。東武鉄道の中にあるシンフォニック東武でできそうな仕事を探し出して、こちらにまわしてもらう。そんな社内営業も重要な仕事のひとつだ。

その甲斐があって、面白消しゴムの「スカイツリー」「電車」「パンダ」なども組み立てて商品として封入する仕事もこちらで扱っている。スカイツリーのショップでそれが売れると在庫を持って届けるのだと言う。

5.各社それぞれの工夫

特例子会社が成立するには日々さまざまな工夫が欠かせない。ひとりひとりの長所短所を知ることもそうですし、仕事の分担、チェック体制などもしっかりと考えている必要がある。

こちらを見学して強く感じたのは「自発性を殺さない」ということと「明るい」ということのように感じた。職場の全員が「やらされている」という雰囲気ではなく、生き生きと自分で考えて作業に向き合っていた。

6.教育の一部として

シンフォニック東武さんのような職場では「どんな仕事をしているのか?」「どれくらいおわったのか?」「何が手間取っているのか?」などが目で見てわかる。

一方で多くの仕事はパソコンに向き合っていて進み具合もやり方ものぞくことができない。さらには勉強ばかりを強いられている中高生、大学生は社会を知らないままに勉強を続けている。

そんな時にこんな職場を見学することができれば「連帯意識」「責任感」「創意工夫」「整理整頓」「報連相」など仕事に必要なほとんどの要素を身をもって学ぶことができる。これは素晴らしい教育現場だなと痛感した。

今後、精華学園高等学校の社会勉強のカリキュラムに取り込もうと思う。

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yuichishiina

yuichishiina

精華学園高等学校 町田校舎長・一般社団法人 日本心理療法協会代表理事・NPO法人ユメソダテ 理事 など。悪い人がいるのではなく、理解し合えていないことが問題。と人と人との心をつなぐ活動を展開中。

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