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番組制作におけるプロの仕事(2)

 2019/02/11 今日の「椎名雄一」 心と心をつなぐ
この記事は約 9 分で読めます。 1,575 Views

1月27日に桜新町で開催されたイベント「ユメへの作戦会議」の様子がテレビ神奈川とテレビ埼玉で放映されることになりました。先日に引き続き、私たちのイベントが番組になっていく様子を見学させていただきました。

放送日時
①テレビ神奈川(tvk)2月22日(金)朝5時半~
②テレビ埼玉(テレ玉):2月28日(木)午後2時~
③放送終了後YouTubeにアップ

予告編をいただきました!お手玉投げているところ!

前回の記事「番組制作におけるプロの仕事」では素材となるイベントの動画を編集する作業を拝見させていただきました。今回はナレーションから完成まで過程です。

1.音

桜新町でのイベントの現場でスーパーダイスの代表 青山さんは「撮影で大事なのは音をしっかりとっておくことですよ」とおっしゃっていた。

確かに音は大事だけれど、、、
アングルとか照明とかじゃなく、、、音なんだ!

イベントの時にはわからなかった感覚がナレーションをする部屋に招かれて、直感的にわかった気がした。

スーパーダイス 黒川さん

防音の静かな部屋
現場の音、BGM、ナレーションなどのさまざまな音のコントロールをしている機械。
そして、
ご自身では大きな声も音も出さずに静かに画面に向かっている黒川さん。

「あ、静かに耳を澄まさなきゃ」

自然とそんなモードに自分自身が切り替わったのがわかった。編集の時と違って、この部屋は「音の部屋」だ。

2.切腹最中

仕事の最中にお邪魔したのだから、「じゃ、ここで静かに見ててください」と言われても当然なのに、、、

やはりそこは青山さん。

「最近、切腹して謝罪した人がいたので切腹最中(せっぷくもなか)をどうぞ!」とユーモアたっぷりにお茶菓子とお茶を出して、素敵な見学席を作ってくださった。

切腹最中とは

青山さんいわく、スーパーダイスさんの事務所の近所にある「新正堂」で切腹最中が販売されているのだという。なんとこのお菓子屋さんは「忠臣蔵」の浅野内匠頭が切腹した田村屋敷跡にあるので「切腹最中」を製造販売しているのだとか。確かにこの最中は切腹をしたかのように中のあんこが飛び出している・・・

御菓子司 新正堂「切腹最中」

さて、いよいよナレーションの作業に入る。青山さんはナレーション用の個室に移動して、黒川さんが画面に向かう。本番だ!

奥が青山さん 手前が黒川さん

3.ナレーション

スピーカーから「その人の夢に耳を傾け、、、」と青山さんの声がする。

いや、いつもの声じゃないな。
声からはいつもの青山さんの顔が浮かばない。ナレーション用の話し方だ。

ダンドリ

作業は事前に作られていた資料に基づいて進められる。青山さんは私たちにもコピーを用意しておいてくれた。

何分何秒に何を話すかが書かれた資料

事前にこの資料を黒川さんに渡しておくことで、「BGM」「現場の声」のバランスのどこに「ナレーション」を挿入したらよいかの当たりをつけておけるのだという。

確かに動画を見ると
現場でAさんが話しているセリフがあり、そのまま少しだけ間があって、Bさんが話す。その何秒と言ったらよいかわからないくらいの間にピッタリとナレーションがはまる。

黒川さんの手元の画面を見てもちょうどよいくらいの「音の隙間」がそこにはある。文字の原稿の隙間を開けるならまだしも、、、タイミングや雰囲気まで考えないといけない「セリフ」で隙間にピッタリとは!!

重ねることで流れが生まれる

何より驚いたのは「ナレーション」を他の音声に並べているのではないこと。

  • 現場の音にかぶせてナレーションを馴染ませる
  • 現場でのセリフと対話になるようにナレーションを入れる
  • エンディングの音楽につながるようにナレーションを入れる

つまり、並べるのではなく、重ね合わせているのだ!

私にとって「音」は苦手な分野だ。
仕事用の動画を作ってもBGMの選定に何時間もかかる。正直どんなテイストのBGMがこの動画に合うのかわからないし、納得した試しがない。

音と音、音と声の調和を保つのは水彩絵の具で色を重ねていくくらい難しい。いやそれ以上か。

それを瞬間、瞬間でフィットさせるのは本業の方には失礼だが、さすがプロだなと感じた。

微調整

ナレーションの

  • ペースを変え(ペースを少しだけ変えるだけでナレーションの前後が気持ちよくはまる)
  • 言葉を変化させ(聞き取りにくい同音異義語は別の言葉にするなどの配慮をするのだそう)

そんな風にしながら、番組を完成させていく。この場に立ち会えて本当によかった。

凄いのは声を入れている青山さんだけではない。


ナレーションをする人の姿勢やマイクとの距離、呼吸などによって生じる微妙な声の違いを修正して、BGMや現場の音と調和させる作業を黒川さんが黙々とこなす。

青山さんはベテランなのでなさそうだが、マイクの前でうなづくように顔を前後するだけでも音の入り方が変わってしまうのだという。

黒川さんが作業する姿を後ろから拝見していると息が止まっているかのように静かだ。そして、一区切りつくと「ふぅー」と深い息をして伸びをする。この緩急を繰り返しながら作業が進む。私もつい、あわせて息を止めたり、伸びをしてしまう。

「達人の道」という番組を作っているみなさんこそ「達人」なのではないか?と思いながら見学させていただいた。

まだまだ伝えたりないが、興味を持った方は自分自身の力で関わりを持ってみて欲しい。この記事はキッカケに過ぎないのだから。

4.青山さんの世界観

ナレーションの作業が終わり、黒川さんが24分の動画の音声ひとつひとつの調整をする。

ブツブツ切れて突然始まるセリフがないか?

テレビとして聞きにくいことはないか?

それが終了するとほぼ完成だ。

試写会

完成した動画の最終確認をする。私たちにとっては「試写会」のような時間だ。CM以外の全編をテレビと同じようにみるのだ。驚いたことに24分とは思えないあっという間の時間だった。

青山さんの思い

動画が完成するとテレビ局ごとに納品するための出力作業になる。その時間を使って、青山さんは私たちに「業界のこと」「仕事のこと」「仲間のこと」などを語ってくださった。

青山さんの話がとにかく面白い 実話だからだと思う

メディアごとの強みを生かす

テレビ、ラジオ、本などのメディアによって、表現方法が当然異なる。だとしたら、そのメディアの個性を生かして表現するべきだ。というのが青山さんの考え方のひとつ。

テレビの強みは「動画」「映像」なのだから、必要以上にテロップを入れて文字化するのは良くないという。視聴者はテロップばかりを読んでしまい、せっかくの動画に出ている人の仕草や表情などを見ようとしないからだ。

確かに青山さんの制作された番組は素材が生きている。ライブで私たちがしたことを説明せずに伝わるように青山さんは工夫をしてくれている。

講師をしている私自身も「説明」とは最後の手段だと思っている。「聞き手」「聴衆」の頭の中にこちらが伝えたい世界観を作り出すのが講師であり、答えを言ってしまっては学びにならない。「頑張りなさい」というのではなく「頑張ろう」と思ってもらうための関わりをするのが講師だ。青山さんの言葉にそんな自分自身のこだわりに近い何かを感じた。

ひとりの行動につながれば

テレビはたくさんの人が見る。年齢も生活環境も価値観も様々だ。

青山さんが教えてくださったエピソードのひとつにオムツのCMの話がある。オムツが白いから演出でおしっこに見立てた青い液体を使って、「漏れない」「吸収力が!」とある意味おきまりの表現をしたところ、、、

うちの子は青いおしっこしないんです!

と問い合わせがあったのだとか。そう考えたら投資の話で大金持ちになれると思ってしまったり、CM上の演出を実話と信じてしまう人もいるのもわかる。

そんな人のことも想像しながらわかりやすい表現を探して番組を作る。青山さんはお子さんに番組の感想を聞いて、ネガティブな反響に耳を傾けて、表現を工夫する。

そこまでしても何百万人の視聴者の中のひとりが番組を見え、行動してくれたら良い。と青山さんは言う。これは万人にウケるはずだ。役立つはずだ。と考えないのが凄いところだと思った。

おまけ 仲間のありがたさ

2017年末。僕は過労で倒れた。

自分の力を過信して、ひとりでやり過ぎた末のダウンだった。ダウンしている間、一番多かった問い合わせが、

「先生ダウンしている場合じゃないですよ!私の辛さはどうしたら良いんですか?」

と言うものだった。過労に加えて、大事にされていない気持ちに一気に襲われた。僕は便利な道具だったんだな。そこから一年間、積極的に動いたり、発信するのを最小限にした。

次第に仲間が入れ替わっていった。

新しい仲間

僕以上に僕を理解して応援してくれる青山さんのような仲間が増えた。ユメソダテもそのひとつだし、今、関わっている法人の方々も僕を安く消費しようとしない。大事にされている感じが増していった。

変わらない仲間

仲間がどんどん入れ替わり、古い仲間が減っていっても変わらず支えて力になってくれるひとりが精華学園を任せている先生だ。

僕が倒れていた一年で生徒数は倍になり、来年度からはやりたかった教育に力が入れられる。経営者が倒れても一年維持してくれ業績を伸ばしてくれる仲間。頭が上がらない。そして、その支え方もとても温かい。

弱点を見せられる仲間

そして、もうひとりがプロジェクトマネージャーをしてくれている玉木志穂だ。法人個人を問わず、窓口をしたり、今回のような仕事でもインタビューが成功するように場を作り、写真を撮り、今日の椎名雄一の記事を書いてくれる。

このサイトの僕の写真の多くは彼女が撮影したものだし、彼女の提案で劇的に変わった仕事がひとつやふたつではない。

縁の下の力持ち 玉木志穂 力持ちはひどいか、、

でも、一番ありがたいのは僕の人間としての弱点も含めて理解して協力してくれること。

椎名先生は完璧。

のような虚像を押し付けられるのも、弱点に気づいて、そこばかり攻撃されるのもさみしいものだが、安心して弱みをそのままにできる。

特に玉木にはやりたいこともあるし、自分自身のブランドを立てたい、育てたい時期でもあるのに僕を立てて行動してくれる。今は僕が助けたい人たちを助ける力をつけるために支えてくれている。

僕が人を助けられるのは玉木が僕を助けているからだといっても過言ではない。

ぜひ、僕を応援して広めてほしい。そして、玉木や精華学園、ユメソダテやこのサイトに出てくる多くの人を応援してほしい。

玉木の書いた記事はライターのところで区別がつくので、応援したり、拡散していただけたら嬉しい。

ライター 玉木志穂

おまけが長くなったが、一年間の眠りから覚め、ようやく再起動し始めたので、近いうちに新生 椎名雄一の方針演説の記事を書きたいと思う。

ひと仕事終え 新橋のおしゃれカフェにて

コラム 「心と心をつなぐ」

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yuichishiina

yuichishiina

精華学園高等学校 町田校舎長・一般社団法人 日本心理療法協会代表理事・NPO法人ユメソダテ 理事 など。悪い人がいるのではなく、理解し合えていないことが問題。と人と人との心をつなぐ活動を展開中。

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