精華学園高等学校 入学式
2019年4月10日(水)精華学園高等学校 町田校の入学式を行いました。当日に向けて、準備してくださった先生方や卒業生、カウンセラーのみなさんに感謝です。何よりもこの日に向けて、体調や気持ちを整えて参加してくれた新入生の皆さんに感謝です。
素晴らしい入学式になりました
目次
1.息が止まっている生徒たち
ホールでの入学式。最前列。前にいる先生と手がとときそうな距離。
そりゃ緊張するよね。特に1番、2番で来た生徒は両肩が上がって、息が止まりそう。「緊張している?」と尋ねると「はい」とうなづくので、「僕も緊張している!」と答えるとホッとしたように笑ってくれた。
僕これからスピーチするんだけれど
緊張しちゃうからうなづいたりして応援してね!!
そうお願いすると「わかりました!」と表情が変わる。ひとりひとりに話しかけるとひとりひとりスイッチが入っていくのがわかる。
「よく来てくれたね」
2.式辞
精華学園高等学校 町田校の式典で一番緊張するのが「式辞」
難易度Dの式辞
基本的にはゆるい時間が多く、楽しい時間が多い精華学園高等学校において、シャキッとする瞬間は普段とのギャップがすごい!
- ようやく参加できた新一年生
- 新入生を歓迎してくれようと頑張ってくれた在校生
- 苦労の末に期待を持って精華学園高等学校を選んでくださった保護者
- 毎年、式辞を聞いている卒業生
全員の心に届く話をするのは企業研修より難しい。
場が繋がった瞬間
私がゆっくりとした口調で挨拶を始める。新入生が全員顔を上げている。そして、さっきの約束の通り、一生懸命にうなづいて聞いてくれている。
恥ずかしがりながら小さくうなづいてくれる生徒。「頑張って応援しなきゃ」とうなづいてくれる生徒もいる。視線が合う。
「ありがとう」「頑張ってください」と場が繋がったのを感じる。
椎名節
場と一体になると出てくる
通称「椎名節」
聞いてくれている人の心境がわかるからこそ「なめんな!」のようなセリフも違和感なく式辞に混ざる。
(※)私、椎名雄一は30歳までひきこもりをしていました。なので、「数年、ひきこもっていました」「不登校でした」という生徒に自己紹介をしてから、「なめんな!あと15年こもっていても俺と同じだ!」と話をすることが多いことから「ひきこもりの長さに関して、なめんな!」と言って笑いを取ることがよくあります。
3.生徒交流タイム
入学式の式典もそこそこに「生徒交流タイム」があるのも精華学園高等学校 町田校の特徴のひとつ。式典は誰のため?式辞は誰のため?そう考えた末に最も生徒のためになるプログラムになった。
矢部先生
長年、精華学園高等学校 町田校を実質運営してきて、生徒に愛され、卒業式には真っ先に涙を流す矢部先生。生徒交流タイムは矢部先生の経験と思いやりの結晶のような時間でもある。誰でも参加できる。生徒と生徒がつながるきっかけが作れる。保護者が見ていて飽きない。
内容はヒミツだが、あっという間に生徒と生徒が繋がっていくのがわかる。さすがというよりはむしろ神業だ。こんな学校は他にないとこの部分だけでも断言できる!
心理カウンセラー 玉木志穂
女子の家庭訪問や「中高生の本音」などで大活躍の玉木は生徒交流タイムでは卓越したリアクション芸を使って盛り上げる。「えー」「うわー」と玉木が声をあげるたびに場が盛り上がっていく。企業研修もできるのにJKにもなれる多彩さは真似できない。特に女子をまとめる力、女子特有の人間関係を調整するのに彼女以上の適任者はいない。
卒業生 熊谷洸介
精華学園高等学校 開校のひとり目の生徒でもあり、私の企業研修などのシステム周りの右腕でもある熊谷くん。普段はMacに向かって、動画を編集してもらったり、生徒がVRを楽しめるような環境作りをしてくれている。卒業してもずっと縁が続いている彼は精華学園高等学校のことを教員並みに把握している。そして何よりも男子の話題に圧倒的に強い。ITやYouTube、ゲームの話題を駆使してグループを盛り上げてくれる。外国語のような男子の話を当たり前のようにリードしていくのはさすがだ。
卒業生 前田陸生
桜美林大学に通いながらもスケジュールを空けて、生徒と絡んでくれる前田くん。「今日は前田さん来ますか?」と生徒に聞かれることが多く、彼を介して繋がっている生徒も少なくない。彼の特技は超ソフトに全員を輪に入れること。メンバーの様子を見て、役割を分担したり、できそうなことをお願いしたり、褒めたり、感謝したり、、、その場作りには年齢に見合わない安定感がある。今回も優しく場を作ってくれていたので、新入生が積極的に参加してくれていたのが印象的だった。
在校生
精華学園高等学校 町田校においては在校生の存在もかなり重要だ。生徒はみんな自分が輪に入るときにどんなに不安だったか?どんなに頑張ったかを知っているからこそ、新入生や転校生が来たときに対応が優しい。
自分のグループが会場のペースよりも遅れ始めても遅い生徒を責めるのではなく、手伝ったり、工夫をして守ってくれようとする。焦らせないようにじっと笑顔で見守ってくれる。やったことを褒めてくれる。
- 「輪に入れてもらえた」
- 「ペンを貸してくれた」
- 「おしゃべりしてくれた」
- 「超楽しかったです」
- 「ほっとしました」
そんな感想の新入生が多かったのも在校生の優しさなのだろう。
4.東京都町田市
もう10年近く前になるが新宿の事務所をたたんで、本社を町田に移した。学校を作るためだ。町田を選んだ理由はたくさんあるが、一番の理由は
生徒を育ててくれる大人がたくさんいる
そう思えたからだ。町田は駅から500m以内に小さな新宿、渋谷、池袋があるようなまちだ。アニメイト、巨大なブッオフ、ヨドバシカメラ・ビッグカメラ・ソフマップ、世界堂、ビレッジバンガード、、、そして、高校生OKのアルバイト先・・・いずれも心強い教師だと当時思った。
それだけではない。古くから変わらない商店街にはお豆腐屋さんや金物屋さんが昔ながらの姿で残っている。町田天満宮では毎月1日にかなり大規模な市が開かれるし、お祭りにはお神輿が駅前をねりあるく。(以前、生徒の希望者で担がせてもらったことも)
だからこそ、こうして町を見下ろすと元気が湧いてくる。この町が生徒を育ててくれる。生徒が4人も務めているセブンイレブン。生徒に音楽を教えてくれる楽器店。フィギュアに興味がある生徒にインターンをさせてくれたお店。生徒をステージに立たせてくれるライブハウス。遊びに行くと抹茶をふるまってくれる宝永堂。女子に人気なタピオカ店やチーズドック店もある。インターンのようなものをオーダーメイドでしてくれる福祉施設もある。
素晴らしい環境だと思う。
そんなことを考えながら2019年度をスタートした。みなにとって良い高校生活であるように尽力したい。
5.明日から
さあ、明日はレクリエーション。明後日はバーベキューだ。