つながりの町@越後湯沢
越後湯沢で連想するのはスキー場。
「GALA湯沢、湯沢中里、苗場、神立、かぐら、石打丸山、、、とたくさんのスキー場に囲まれて大勢の人で賑わっている」
と思っていたが、、、
スーパーこまちにも乗りたいなと思いながらも今回は「とき」乗って、越後湯沢に向かった。これから東北、北陸にも行く機会が増えてくるから「のぞみ」「ひかり」「こだま」だけというわけにはいかない。覚えよう。
実際に行ってみた越後湯沢は少し雰囲気が違った。人がほとんどで歩いていない。街全体が少しさみしい感じだ。あとで分かったのだが、観光業が主な生業である越後湯沢はゴールデンウイークなどはものすごく忙しく、そうでない時期は静かなのだそうだ。
1.地方の暮らしを創造する
今回は越後湯沢で活動するきら星株式会社 地方暮らし創造企業 代表取締役の伊藤 綾 さんに案内してもらった。実は伊藤さんは2019年3月7日(2ヶ月前)まで東京で活動されていて、引越しの前日に初めてお会いした。今回が2回目だ。
伊藤さんのお子さんが通っている「湯沢学園」
保育園や学校の統廃合の結果、この地域の子どもたちはここに通っているという。コミュニティという意味では良いのかもしれないが遠い人は大変そう。
「車でしばらく待っていてください」と言われたがこんなに素敵な景色を前に車にこもっていられない。車から飛び出して、写真撮影を楽しんだ。
伊藤さんのはからいで「へぎそば」をいただいた。へぎというのはこの木の器を指すのだという。3人前を頼んでそばを食べる。楽しい。
伊藤さんはこの使われなくなった保育園を改装して事務所にするのだという。相当大きな建物だぞ!ペンキを塗ったり、改装するときに人手があると助かるのだという。
イベントを組んで、ペンキ塗りをしに来たいな。興味がある方は声をかけて欲しい。やりたい人がいたら一緒に作業をしに行こうと思う。
ついてまだそれほど経っていないのに童心に帰って、大きなタイヤで遊び始めてしまった。このタイヤは何に使われていたのだろうか??
この壁をペンキで塗る。大勢で色を塗ったら楽しいだろうな!!
機会を考えてくれた伊藤さんに感謝!
それ以外にも都会から来た人と共にできることをたくさん考えてくれた。
この色に溢れる越後湯沢が都内とつながることを期待して!!
2.大人が楽しむ!
伊藤さんのご紹介で「あさひ館」というスキー場の目の前の宿の方とお話しすることができた。
みゆきさんはとても楽しい人で「そば打ち」「カメムシ退治」「新雪ダイブ」などたくさんのエピソードを話してくれた。みゆきさん自身、「大人が楽しむ」ということを大事にされているので本当に楽しそうだ。
「生きる意味」とか「悩み」「人間関係」「自己肯定感」のようなことを考えるよりもみゆきさんと一緒に本気で楽しんでみたら人生が変わるのかもしれない。
越後湯沢の山側にはカメムシ(くさい虫)が大量に出るのだという。みゆきさんはカメムシの匂いの液がどこから分泌されるか?(脇の下らしい)やカメムシをペットボトルに一匹一匹捕まえていくとカメムシが匂いの液を出しまくって、自分たちの匂いで悶え苦しむことなどを教えてくれた。
みゆきさんいわく、越後湯沢では自分次第で自分の居場所が見つけられる場所だという。縁を大切にして、やれることを考えてくれる温かい人だ。都会の悩んでいる人の居場所を探して越後湯沢に来た私の意図を汲み取ってくれた。嬉しい限りだ。
3.日本の教育は海外では価値が高い
snow safariというムスリムの人にアクティビティを提供している会社が運営している源泉掛け流し温泉付きのホステルがここだ。
代表の奥田さんいわく、ドバイなどの特に富裕層にとっては「日本の教育」の価値が高いのだという。日本の教育業界を叩く風潮がある現代においてはにわかに信じがたいが確かに従来の日本の教育やそれを支える文化には深い価値があるのかもしれない。奥田さんはそれを伝えていく活動をする活動の一部として宿を提供している。
とてもアットホームなこの宿は「駅近」「源泉掛け流し」「安い」だけでなく、アクティビティに参加することもできる。ドラム缶風呂を作って入ってみたり、山の中に入って温泉を掘ったり、畑で野菜を作ってそれを食べたりとテーマもいろいろだ。地域の豊かな自然環境や伝統文化を楽しめるイベントに参加できるのも大きな魅力だ。
また、越後湯沢から世界にビジネスを発信していく人たちの基地を作ろうと考えているようで、日本の生地で作ったヒジャブ(頭にかぶる布)を販売したりその発想の範囲は世界に向いている。
越後湯沢に来て、癒されるのも大事だが、奥田さんはむしろ攻めることを考えているようだ。ワクワクするような計画を考え、冒険することで元気になる人にとっては奥田さんのような人が鍵になるのかもしれないと感じた。
越後湯沢でアクティブな人たちに触れて、新しい生き方を考えてみるのも良いかもしれない。
特に英語ができる方や情報発信できる人は奥田さんと一緒に活動したら楽しいと思う。
4.地域課題を解決するために
かつて柔道整復師をされていたという神保さん。今では地域の課題を解決するためのワークショップを開催したり、広告代理店として主に動画やSNSなどを使った宣伝、求人などの活動をされている。クラウドファンディングで多くの支援者を集める活動も得意分野だ!お願いしようかな!
神保さんが拠点とするのは南魚沼市。越後湯沢から見ると北側の隣の市だ。話を聞いてみると越後湯沢よりもさらに南魚沼市は課題が多いのだという。
南魚沼市の農業法人と連携すれば、個人の農家さんと連携するよりも安定して関われるのではないかと考えてくれた。特に6次産業まであるような法人ならば「できることから」関わることができそうだ。
地域課題を解決するワークショップに東京の人が入ることで交流する人口が増え、直接移住とならなくても南魚沼市にとっても良いことになると思う。山形県高畠町で縁があった農家から玄米食を買う人が都内に出てきたように魚沼産コシヒカリをはじめとした南魚沼市の強みを発信したいという人が出てきたら心強い。
神保さんとの関係はこれからもどんどん深まっていきそうだ。
5.不思議なラーメン屋さん
お昼前から夕飯まで半日滞在しただけなのに数ヶ月は住んでいるかのような感覚で1日を終えた。外国人が非常に多い土地柄もあってか、都内よりもオープンマインドな人が多いのだと思う。農作業をしている人を眺めているだけでその人と関われるし、ちょっと縁があっただけの人でも5分くらい雑談をしてくれる。
都会ではアウエー感、疎外感を感じることがよくあるが、越後湯沢ではそれはなさそうだ。好みは分かれるかもしれないが、気さくに人と関わる欧米の文化が感じられる。明日からの探索がさらに楽しみだ。