精華学園高等学校 町田校 心理学のきほん講座
精華学園高等学校 町田校で「心理学のきほん」の講座を開催しました。基本の話をしつつも高校生が知っていたら良い考え方を少しだけ混ぜたら、その部分をカリカリメモをとる生徒。「いい感性しているねー」2時間集中してくれた生徒に手応えを感じて嬉しくなりました。
1.ドラえもんとポケット
ポケットのないドラえもんはのび太にとっていらない存在か?
という問いに
ドラえもんとはつまり道具な訳だからポケットがなかったら話にならない。
とか
ドラえもんがお母さんだとしたらいつもご飯を作ってくれていて、作れなくなったとしても、お母さんはお母さんだと思う。だから、ドラえもんがいらないとはならない。
と意見が分かれました。
人は人を愛し、大切に思い、その存在を大事にする。だからこそ、その人の幸せのために工夫をしたり、努力をする。ドラえもんはポケットなのではない。のび太くんを大事に思うからこそ、道具を出そうとするのだ。
でも、便利な道具が並んでいたら、ドラえもんに敬意を払わずに道具だけを使うこともありえる。
「君はいらない。ポケットだけ頂戴!」
のび太くんはドラえもんが大事なのだろうか?ポケットだろうか?
一般的な企業はポケットが欲しい。経理ができる。パソコンができる。だから採用するのだ。面接の時にできると言ったことができなければ、「話が違う」となる。
でも、その人の存在を心から大事に思っている人はできてもできなくてもその人の力になりたいと願う。その人が少しでも幸せになるように願う。
今回の講義ではドラえもんの存在を大事にしてくれる人とポケットの中身をあてにしている人の違いを見極めることを生徒たちに伝えた。彼らが自信をなくし、傷つき、居場所がないように感じた時にポケット重視の考え方では生きていけないからだ。
お金がなくても成績が悪くても、、、場合によっては悪いことをしてしまっても、、、そうならざるを得なかったその生徒とともにその窮地から脱出を図る。
存在そのものを愛していればどんなにカッコ悪い状態でもSOSを出してもらえる。こちらがそこをみてないことが伝わっているからだ。できる。できない。できている。整っている。そんなのはどうでも良い。レベル1ならレベル1から一緒に歩めばいいのだ。
そんな話を生徒たちとした。
進学したり社会に出たら、機能性を問われ、ポケットに何が入っているかを問われることになる。でも、精華学園高等学校町田校にいる間はどんなにボロボロでポケットを持っていなくても大事にされるんだということを学んで欲しいと思う。
2.自分の色を出さない問題
最近の生徒は空気を読む。読みすぎる。それには3つの害がある。
混乱したメッセージ
相手に合わせて自分の色を変える。本当は青なのに場面によって、赤、黒、緑、ピンク、、、偽物の色をばらまくから周囲の人は勘違いする。「あの子は緑だ」
でも、場面や気分によって色が変わる。
あの子は何色なんだろう。昨日は絵が好きと言っていたけれど、今日は絵が嫌いだという。どっちを信じたら良いかわからなくて混乱する。玉虫色の友だちの色を当てようとして一喜一憂するから疲れてしまう。
積み上がらない
石の上にも三年という言葉があるがしょっちゅうキャラを変えるのでいつまでたっても積み上がらない。細かくその場をやり過ごすこたはできるけれどもアイデンティティがいつまでも確立できない。
自信がない
本当の自分を晒したことがなければ褒められたり責められるのはいつもダミーの自分。それを続けていて自信がつくわけはない。本当の自分を晒して、否定られたり、通用しなかったりしながらも、うまくいった時に自信がつくのだ。
自信がないから自分の色を隠しているといつまでも自信がつかない。自分の好き嫌いを前面に出して、それを貫き通せるまでやってみてほしい。これからは総合力ではなく、特化した力が生きる時代なのだから。
3.わかりやすくする難しさ
哲学的真理に近い話を日常生活に落として話すのはとてもとても難しい。大人向けの講義よりも高校生向けの講義がいかに難しいか。
それでも
- 泣きそうになった。
- 話が深い
- 当てはまっていてびっくりした
- たくさんメモした
- シリーズでずっとやってほしい
などと嬉しい感想をもらえた。普段ダラダラしている教師の態度を批判するような立場なので、面目が保てたかしら?
三学年合同授業だったので、三年生に響いたようだったけれど、次回は一年生も楽しめる内容にしたい!
今回、性格分析をしたので、次回はそれを理想の自分に改良する方法をやろうと思うヾ(◍’౪`◍)ノ゙