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ひきこもりは親の責任か?

 2020/01/08 椎名雄一に聞いてみた
この記事は約 5 分で読めます。 97 Views

子どもがひきこもるのは「親の教育が悪いからだ」「親が甘やかしたからだ」「親に責任がある」「親が変わるべきだ」という考え方をよく耳にする。

一方で「親を責めてはいけない」「親は一生懸命に頑張ってきた」という派閥もある。

僕は「親の責任かどうか?」には重要な問題が隠れていないと考えている。

1.親だけの責任ならば

ひきこもりが「親の責任」なのだとすれば、失敗に当たる育て方をしてしまった親が100万世帯を超えているということになる。

そんなに大勢の親が一斉にひきこもりを生み出してしまうものだろうか?

親の責任もあるが

ひきこもりを回避するために親ができることは多い。だから「親には責任がない」というのは言い過ぎかもしれない。しかしそれだけだろうか?

リーマンショックや震災などの影響でたくさんの会社が倒産してしまうことがある。倒産の原因の何割かは経営者にあるだろう。が、一方でたくさんの会社がバタバタと倒産してしまうのには別の理由もあるのだ。

祖父母の責任は?

いわゆる核家族化によって、祖父母が子どもの近くにいない家庭が増えた。核家族化自体は日本全体で起きていることなので「親の責任」とはいいきれない。

祖父母は子どもの近くにいないことで今まで果たしていた「祖父母の責任」を果たさなくなった。親は「宿題やったの?」「早くご飯を食べてしまいなさい」というような直接的な教育をする。一方で祖父母は「友達は大事にしなさい」とか「感謝の気持ちを忘れてはいけないよ」というような観点で子どもと関わる。

その役割を果たす人がいないのではないだろうか?

教師の責任は?

通信制高校を運営していてつくづく感じるのは教師に余裕があれば回避できた不登校・ひきこもりがたくさんあることだ。学校は勉強をするところ。スキルの向上を目指すところ。であることは建前だが、実際には人間としての尊厳やモチベーションなども重要だ。

教師に余裕があれば「生徒の尊厳」をしっかりと見つめることができる。

しかし、余裕がなくなれば形式的な授業やレポートを配布するだけになってしまうこともある。学校で大事にされていると感じられなくなった子どもたちはどこでそれを補えば良いのだろうか?

マニュアル社会の責任は?

コンビニの店員が「ポンタカードありますか?」と機械的に聞く。
教師や医師が定型文のような話し方でやり取りをする。

そんなマニュアル社会において、子どもたちは「生まれてきてよかった」と思うだろうか?

実際に小五(不登校になり始める境目の学年はこのあたりだ)の子どもたちに丁寧に話を聞いたところ「生まれてきて歓迎されている気がしない」とほとんどの子が思っていることがわかった。

「誰が人としてみてくれているのか?」

その答えが街に存在しない。かつての街や村にはそれがあった。

消費社会の責任?

コンビニの飲料コーナーを見ると定番のペットボトルがほとんどない。サントリーの烏龍茶くらいだろうか?新しい商品を作って、宣伝して、おかないといけないのだという。

せっかく作った商品を大事にしないで入れ替えていく。

そんな社会では人間の価値も希薄だ。「あなたの替えはいくらでもいる」そう言われているかのようでもある。

安易に捨てる社会が人を大事にしない社会につながってはいないだろうか?

医療・福祉の責任は?

ひきこもりの当事者が家から出られないと打つ手が一気に減ってしまう医療・福祉。でも、実際に辛いのはひきこもり当事者が布団からリビングに出てきてくれるかどうか、、、あたりだ。

さまざまな制度や保険点数、社会的な役割などによって、訪問医療や訪問介護などにも壁がある。「徹夜でゲームをしたから心が開いた」というような流れには持っていけないのだ。

多くの医療・福祉の現場ではそのルールによって、、、あるいはルールのせいにしてそれ以上の工夫がなされない。

2.親の責任からの解放

長期化するひきこもりを解消するには「親の責任」から「社会の責任」へとシフトしていくことが重要だ。大勢の人が関わるほどひきこもり当事者の価値観も変化していく。親の重い責任も分散される。

ひきこもりの布団の中に入る

ひきこもりの布団の中に入れている人がいる

  • YouTuber
  • 歌手
  • 芸人
  • ゲーム
  • 漫画家

などである。これらはスマホとともにひきこもり当事者の部屋に入り込み、時として当事者の心を動かす。

ひきこもり対策に関心があるYouTuberさんや歌手、芸人さんなどが私の周りに集まりつつある。有名かどうかなどは気にしないのでぜひ関心がある上記の職業の人は連絡をしてほしい。特にYouTuberさんは戦力になる。

リビングに入る

リビングに入りやすい立場の人もいます。ヨガの先生かもしれないし、生命保険の営業マン、電気屋さん、親戚、家庭教師、、、

責任からの解放

家に出入りする人の数や種類が増えるほど、親の責任が相対的に減ってきます。いわゆる古き良き地域コミュニティとはいかないかもしれませんが、外部の人が入ることで家の中にもかつてのような人間関係を作り出すことができます。これは親だけでは厳しいものがあります。

3.責任という考え方のリスク

誰かの責任でひきこもりになった。

その考え方自体に危うさがあります。「責任」が誰かにあるとしてしまうことでそれ以外の人が「他人事」になってしまいます。ひきこもりは社会全体で生み出している問題です。誰かに押し付けるのではなく、誰かが背負うのではなく、解決していける社会を作っていきたいと思います。

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yuichishiina

yuichishiina

精華学園高等学校 町田校舎長・一般社団法人 日本心理療法協会代表理事・NPO法人ユメソダテ 理事 など。悪い人がいるのではなく、理解し合えていないことが問題。と人と人との心をつなぐ活動を展開中。

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