精華学園高等学校 町田校 入学式(2020年)
新型コロナウイルス感染症対策で例年通りの学校運営ができない中で5月10日に入学式を開催しました。4月から始まったオンライン授業がどんどん進む中で「入学式をしていない」と言う気持ちのズレを解消しておいた方が良いと言う判断から、このコロナ自粛の中でできる方法を考えての実施となりました。
1.入学式式辞 事前動画配信
入学式において「3密」の状態を長引かせてしまうひとつが「式辞」
新入生、在校生、保護者、教員が同じ方向を向く意味ではとても重要なひと時でもあるが、コロナ自粛を考えた時には「長い校長先生の話」というのはよろしくない。そこで、今年は式辞を動画配信することとした。
今年は「式辞」を前日に見てから入学式に参加してもらうこととした。
不思議なのは対象となる生徒の人数を超えて、動画が再生されていること。「式辞」なんていらないのかな?という思いとは違い「式辞。とっても良かったです!」という言葉をいただくほど。もしかしたら、式辞は自宅でゆっくりと聞いてもらった方が良かったりするのかな?
2.ひとりひとりの入学式
生徒と生徒、教員との距離を保つために「1家族ずつ」の完全予約制で入学式を行なった。新入生にとっては僕と1:1になるから普段よりも緊張させてしまったかもしれないけれど、7割の生徒は学校で、3割の生徒はオンラインで関わることができた。
新入生が一気に集まる入学式も楽しいし、儀式感が良いが、今回のように個別に話をするとしっかり関われる。
話題、表情、仕草、声の質、、、会話をするとその生徒の人となりが伝わってくる。緊張、喜び、期待、遠慮、満足、協調、、、さまざまな感情のゆれが僕の中に一人の人間として像を結ぶ。「会う」ことは大事だ。オンラインでも同じと思っては危険だな。
3.美術部の歓迎
精華学園高等学校の美術部からA0サイズの「お祝い」の絵を寄贈してもらった。ゴールデンウイーク明けに入学式があると伝えるとゴールデンウイークを費やして、大作を作ってくれたのだ!!
絵がうまい・へた
という以前に「去年一年間、しっかりと学校と向き合ってくれたんだな」というのが全面から伝わってくる「精華学園高等学校町田校の魅力」とでも言えそうな楽しさに溢れた絵だった。そして、絵はもちろん最高にうまい!
先生の顔、卓球、ゲーム、調理、僕の趣味のドローンが描かれていただけでなく、精華学園高等学校のレクリエーションでよく出てくる「絵しりとり」なども表現されていた。
「入学式から絵しりとりに慣れてもらうんです!」というコメント付きだ。
生徒の写真は公開しないというルールがあるので写真を掲載できないのが残念だが、自宅で何日もかけて作品を作る様子をタイムラプス調に仕上げて、動画もおまけで送ってくれた。イラストを書く順番や大きなテーブルに覆いかぶさるようにして描いている様子はそれだけで感動した。
4.卒業生、在校生の歓迎
3密を避けるため、卒業生がひとりだけ代表で学校に来て、それ以外の卒業生や在校生はオンラインでの歓迎となった。
代表の卒業生のテレビのMCのような盛り上げもあって、「ひとり」で参加した新入生も先輩たちと交流することができた。「顔覚えてね!」と先輩が自己紹介をし、一緒にゲームをして、景品をもらう。ほんの5分弱だけれども歓迎ムードは十分に伝わったと思う。
何よりも
ひとりひとり入れ替え制の入学式だったので、迎える側の教員や卒業生、在校生は3時間以上にわたる長丁場だったが合間でパンをかじりながらも集中して全員を迎えてくれた。
新入生の女子に
「かわいい」「かわいーー」と声をかける先輩女子がなんとなく、おばちゃんのように思えたのは時の流れのせいかもしれない^^
5.記念撮影
数年後、入学式の写真はとても大事な思い出になる。
今回はシャッターチャンスがたくさんあるわけではなかったが、いつもお願いしている武井さんが数少ないチャンスを着実に思い出写真に収めてくれた。
自粛警察対策の
ソーシャルディスタンスや除菌、マスク、などの証拠写真も含めてきっちりと撮影してくれた。除菌スプレーが女優さんに見えているのかなというくらい、構図やアングルを気にして、撮影してくれていた。
6.入学おめでとう
このような状況の入学式を千載一遇のチャンスと考えられるのが精華学園高等学校 町田校 の教員、スタッフ、そして多くの保護者の強みだ。
神様にもコロナにも中国にも政府にも
誰にも文句を言うわけでもなく、与えられた条件で着実にやるべきことを実現していく。削らなくてはいけなくなった部分もあるがそれを補うくらい新しい工夫もある。それを楽しんでさえいる大人たちの姿を入学式で見せられたのは今年しかできない素晴らしいようそだった。
新入生や保護者も全員が良い入学式にしようと協力してくれたのが目に見えてわかった。今年入学したみなさんを素晴らしい未来につなげたいと全員が思っていることがひしひしと伝わってくる。「おめでとう」と全員の言動が言っているようだったのが何よりも嬉しかった。
新入生がそれが「ありがたかった」と思うのは少し先かもしれない。
それでも
新しい生徒が仲間に加わるのはとても嬉しいし、式典を終えて、「よし!この生徒たちをしっかりサポートして導こう」と私たちの芯がしっかり決まった。
入学おめでとう!