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命の洗濯@まほろばの里 山形県高畠町(2)

 2019/04/04 今日の「椎名雄一」 里こもりプロジェクト
この記事は約 6 分で読めます。 1,318 Views

山形県高畠町のレポート第2弾です。
第1弾の記事は「命の洗濯@まほろばの里 山形県高畠町」をご覧ください。

初日にして、走りまわり、棒を投げ、栄養価の高い食事を食べた佐久間くん(精華学園高等学校の卒業生)と私。2日目も清々しい朝とともにスタートしました。

1.朝の景色

散歩せずにはいられない。「これは散歩しちゃうでしょ!」という景色。空気は美味しい。シーンとして人の気配もない。気ままに散歩できる豊かさ。

昨晩の残りの野菜と玄米ご飯とたまごで朝食をすませたら今日は菊地さんのお世話になって農業体験だ。

2.土へのこだわり

菊地さんの家の納屋、倉庫は研究室のようだった。理論的に考え抜いて色々なものが用意されている。「数値」「化学式」「理論」「生物」「文化」・・菊地さんの話は科学者のようでもあり、政治家のようでもあった。

詳細については「おそるべき食の話」を参照。

あきらめずに研究してきたのがよくわかる
土の匂いが違う

有機農業はこの土作りからなんだというのがとてもよくわかった。自宅の倉庫で作る土のノウハウだけでも途方も無いほどの歴史と工夫の積み重ねを感じる。

3.巨大しいたけ

畑に向かう途中でビニールハウスにたちよった。球根から芽がでるように温度管理されたハウス。菊地さんは温度計の誤差が2度くらいあるから温度計を3台用意していた。数値化できることはとても大事なんだという。

2度ずれるとマジックで書かれた温度計
着実に芽を出している
でかい!とにかくでかい!
ビニールハウスの中は真夏のようだ
3月だというのにすごいな

ハウスでの作業を終えるといよいよ畑作業だ。

外薗さんの配慮でいきなり畑に行かず、「土」を作る倉庫を見たおかげで菊地さんの畑を理解することができた。あの微生物だらけの土が一面に広がっているかと思うとワクワクする。

まさにこの景色を見たい(左側ね)

4.きく芋掘り

畑についてまずはきく芋の収穫を行なった。
芋がスパッと切れる大きなクワを持って土を掘り起こす。

  • きく芋が土のどの辺りに埋まっているか?
  • 深さはどうか?

それがわからないと芋を傷つけてしまう。

掘り方が深過ぎれば土が硬いし、浅ければ芋が切れてしまう。

手が痛い。腰が痛い。息が続かない。

芋掘りだけでも大変な仕事だ。

「繁忙期は手伝いに来ないで」

よく農家に言われる一見すると意味不明な言葉の意味が身にしみてわかった。

足手まといだな

疲れたなっと、、、

菊地さんいわく、「仕事とは移動をどれだけ最小限にして動くかだ!」
たしかに菊地さんだけゆっくり着実に作業が進んでいた。「だから疲れないんだよ」という。

身体の使い方に関しては全然ついていけない。
多分、移動を減らしても筋力とかスタミナとかもたりないんだと思う^^;

5.土壌作り

畑の土を作るのもとても大事な仕事。雪かきのスコップで生きた土を大地にまく。

一揆 だな
力まずバラバラバラと均等に巻いていくのが難しい
だいぶ広い範囲に微生物をばらまいた
茶色くなっているでしょ?地面が!

6.亀岡文殊堂

農業を終え、文殊菩薩の知恵を授かろうと「亀岡文殊堂」を訪れた。

山形県高畠町にしては珍しくしっかり看板がある
趣のある参道 掃除をしている人しかい無い
観光地は「人」を見に行っているようだが
観光客が少ないのがとても良い
参道の脇にきれいな水が流れている
合格祈願の張り紙や千羽鶴がたくさんあった

亀岡文殊堂の駐車場で高畠町に来て初めてのおみやげ屋さんをみつけた。なんて観光地化されてい無い場所なんだろうと思う。観光地として考えるとかなり良い場所なのに地元が「そう思ってい無いんだな」というのがよくわかる。古き良き日本を見たい方にはオススメだ。その代わり、お土産屋も案内板も受付も無いから自分でよく調べてから行くかガイドを頼んだほうがよさそうだ。

7.スカイパーク@南陽市

高畠町の隣の南陽市には小高い丘がある。そこから盆地が一望できるという。普段はパラグライダーをする人たちが離陸に使う場所からの眺めは最高だ。

高畠町(と南陽市)が一望できる
ここから飛び立ったら気持ちがよさそうだ
あまりの気分の良さに「青春」しているふたり

8.和楽茶の間

地域の人たちが集う「和楽茶の間」にお邪魔した。ふだんは付近の人たちが何十人も集まってくるのだという。「居場所作り」の実践例でもある。

突然、連絡してお邪魔したにもかかわらず、代表の我妻さんは仲間に声をかけて美味しい食べ物をたくさん用意して待っていてくれた。

「ぞの(外薗さん)急に言うから
いそいで用意した」と言いながら豪華
ずんだとあんこのお餅
お餅は棒状にして凍らせておくと
こういうときに便利なのだと教えてくれた

料理のこと。地域のこと。食事のこと。たくさんのことを超高速で話してくれた。この地方の言葉が出て、私たちが戸惑うのを楽しむように話を続けてくれた。「あなた誰ですか?」という壁を感じることが多い東京と違って、あっという間の自分の家のような気持ちになってしまった。ここに来れば人の心は蘇るなと感じる場所だった。

9.山を切り開く

一晩寝て、3日目の朝。菊地さんは一枚の地図を持っていた。「この山の持ち主に話をつけてきた。散歩用の登山道を作ろう」素晴らしい行動力だ。

昨日の夜、都会から来る人が何の役割もなく来るよりも「これをやってほしい」というものがあったほうが来やすいと話したことから考えてくれたのだ。昨夜も遅くまで話していたのにその後に話をつけて、地図まで書いてもらって、、、頭が下がる。

早速、地図を片手に登り始めたがすぐに迷った・・・
うーん。こりゃ難解な地図だな
目印が「スギ」「スギ」・・・って
全部スギなんじゃ無いのか????
道を決めて、邪魔になりそうな木を切る
3cmくらいの太さの木は一発で切れる
調子に乗って切っていたら、ツタだった
すっかり高速で木を切るコツをつかんだ!
歩くペースについていきながらでも相当切れる
ひと仕事終えて、ゆうきの里へ
遠目に見ても小屋が素敵

10.おわかれ

3日間があっという間に過ぎ(いや、本当にあっという間)帰る時間が来てしまった。電車を待つギリギリまで菊地さんは色々な話をしてくれた。興味深かったのは農家から見たウンチクを話すのではなく、佐久間くんの個人的な問いに向き合って答えてくれた。東京ではあまり見なくなった光景だ。

海外旅行で違う文化に触れるのも良いけれど
身近な日本でまだまだ知らないことがあるなと感じた
知らないことがたくさんあるのに「できる」「できない」と
言っているのがナンセンスにも思えてきた3日間だった

最後に

今回、3日間も時間を割いてお付き合いくださった外薗さん菊地さんをはじめ、地元の皆様に感謝します。この縁が新しい流れに繋がりますように。

後日談

東京に戻り、玄米を中心とする食事をし始めたらコンディションがとても良い。そして、その輪が少しずつ広がって、高校生の保護者が玄米のおにぎりを作るようになったり、山形県高畠町の野菜がほしいと言われることも増えた。

菊地さんの農地で採れた野菜は簡単にお配りするほど量があるわけではない。農業はせめて「1年前に言ってよ!」という世界だ。みんなで盛り上げて、良い農家・良い食材を増やしていけたらいいなと思う。

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yuichishiina

yuichishiina

精華学園高等学校 町田校舎長・一般社団法人 日本心理療法協会代表理事・NPO法人ユメソダテ 理事 など。悪い人がいるのではなく、理解し合えていないことが問題。と人と人との心をつなぐ活動を展開中。

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