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小児がんの子どもたちを音楽で元気づけるためのチャリティーイベント「LIVE EMPOWER CHILDREN2020」

 2020/02/26 今日の「椎名雄一」 通信制高校
この記事は約 14 分で読めます。 1,835 Views
引用「LIVE EMPOWER CHILDREN 2020]

精華学園高等学校 町田校の校外授業としてチャリティーイベント(コンサート) に参加しました。イベントの感動だけでなく、それにかけるアーティストさん たちの思いが伝わってきて涙を流している人もたくさんいました。

今回のチャリティーイベント「LIVE EMPOWER CHILDREN2020 Supported by Aflac」にて熱いライブパフォーマンスを繰り広げた総勢11組のアーティスト

引用「LIVE EMPOWER CHILDREN 2020]
引用「LIVE EMPOWER CHILDREN 2020]
引用「LIVE EMPOWER CHILDREN 2020]

関連リンク 倖田來未、ピコ太郎がチャリティーライブで小児がんの子どもたちを笑顔に

1.一隅を照らす

このイベントに参加していて「一隅を照らす」という言葉がふと浮かんできた。

たくさんの人がYouTubeやライブ配信、Twitterやブログなどで発信をして「インスタ映え」「エモい」と言っては「いいね」をしあう社会。現実に起きている 出来事が強調されたり、カットされたりして歪んだ形で広がっていく。

一方で 病気を抱えていたり、生活が苦しかったり、深い悩みを抱えていたりして「発信」どころではない人たちもたくさんいる。「発信」しても興味を持ってもらえ ないテーマもある。でも、その人たちも一生懸命に生きている。

アピールしなくても人は生きているのだ

バズるより生きる

このイベントは「アピール勝負」のようなこの社会において、「生きている人」 に光が当たる機会のようにも思えた。

私はカウンセラーとして光が当たらない 場所で頑張って生きている人をたくさん見てきた。「バズる」ことに夢中になり すぎて「生きる」を忘れてしまわないようにしよう。そう感じたイベントだっ た。

「一隅を照らす」とは

一隅とはみんなが気づいていない片隅のことを指し、一見すると「光が当たら ないところを照らす」のような意味合いに感じる人もいると思う。

本質的には
「直視しなくてはいけないのに見ないふりをしているところを見る」と言う意味だ。私たちは「生きる」「死ぬ」から離れ、「バズる」「バズらない」のような 表面的なところばかり見るようになってきた。直視すべきこととはなんだろう? 私たちは「生きる」「死ぬ」から離れ、「バズる」「バズらない」のような表面的なところばかり見るようになってきた。直視すべきこととはなんだろう?

2.旭くん光のプロジェクト

脳腫瘍に立ち向かい、体が次第に動かなくなり、失明をしながらも作曲を続け、 16歳で亡くなった加藤旭くん。 

「自分が苦しんだ後も自分が残した作品を通して同じような病気で苦しむ子ど もたちの光や支えになれば」と500曲以上の曲を遺してくれた旭くん。

それをお母さんや同級生が紡いているのが「旭くん光のプロジェクト」

僕がこのプロジェクトを知って感じたのは

「生きる」というのは長い寿命をだらだらすることではない
「生きる」というのは競争ではない
「生きる」というのはまず「今」を生きること
「生きる」というのは寿命が終わったから終わるわけでもない

そんなことだ。なんだか背筋がピンと伸びる感じがした。

3.moumoon YUKAさん

このチャリティーコンサートの前にYUKAさんとはご縁があり、旭くんの話や YUKAさん自身の話、心理学の話などたくさんの話をしてきた。

にじ(旭くんの作曲をベースにmoumoonがアレンジした曲)

「にじ」という曲が5つの音符で出来ていること

その曲を口ずさみながら、右手を虹をなぞるように優しく動かしていく時の YUKA さんの目は明らかにキラキラした虹を見ていた。

最初にこの話を聞いた 時には細かい話よりも「YUKA さん嬉しそうだな」という印象の方が強かった のを覚えている。真剣に旭くんの曲と向き合い、旭くん光のプロジェクトの皆さんと関わってきたことが伝わってくる。

音楽に対する価値観が変わった

一流のアーティストであるYUKAさんが「音楽ってこういうもの」という価値 観が変わったのが旭くん光のプロジェクトのコンサートだったのだという。演 奏する旭くんのことを強く思っている人たち。その人たちが作り出す温かい空 気。旭くんを大切に思う気持ち。YUKA さんからその話を聞けば聞くほど当日 のコンサートが楽しみになった。

試験とステージと

これは記事にしてよいかわからないけれど、(許可を取りました)イベント当日、 YUKA さんは重要な試験を受けなくてはいけない日だった。試験会場に受験生 として赴き、試験を受け、イベント会場で準備をして、また試験会場に行き、 戻ってきてステージに立つ、、、なんてハードスケジュールなんだ!!

それでも そんな忙しさを感じさせない YUKA さんは本番直前にもかかわらず、僕にも LINEを送ってくれた。ありがたい。

イベントの2日後

運がよい(?)ことにイベントの2日後はYUKAさんとじっくり4時間もお話 をする予定が入っていた。興奮冷め止まない僕は(たぶんYUKAさんもハイテ ンション)イベントの話をたくさんした。「涙が流れてくる素晴らしいイベントだったこと」「YUKA さんがどんな気持ちでステージに立っていたか」「ピコ太 郎さんの配慮の素晴らしさ」「『にじ』について」などたくさんの話をすること ができた。

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AVEX本社ビルエントランスにて

YUKAさんの人柄

YUKAさんの歌を聴いて、泣いている人がたくさんいた。大御所である倖田來未さんやELTさんと連続で歌ってもまったくひけをとらない歌唱力。普段は静かな人だが、ステージに立つと超一流のアーティストだということがわかる。

それなのに打合せのたびに僕の好みの飲み物まで聞いて用意してくれる。AVEX本社ビルの通路を通る時には「ついてきているかな?」とたまに視線をこちらに向け、扉を押さえて通りやすくしてくれる。おやつタイムは「おいし〜」とはしゃぎ、紹介した人ひとりひとりに誠実に向き合って話をしてくれる。初対面の人の上着を置く場所がないことにまで気づいて場所を作ってくれる。誠実さや謙虚さはアーティストとは思えないくらいだ。

「きっとこの誠実さで旭くんとも向き合ったんだろうな」と思うと「にじ」が さらに感慨深く聞こえてくる。旭くんによってその仲間やYUKAさんや僕もが 勇気付けられ、 YUKA さんによって旭くんや仲間、僕も、、 勇気付けられ、、、 僕もお返しができていたらいいなと思うが、、、そんな関係が広がっていく。うれしい。

YUKAさん本人からのメッセージ

LIVE EMPOWER CHILDRENへ参加できた事に心から感謝します。

加藤旭くんという作曲家の音楽を初めて聴いた時、「大丈夫だよ。」と言ってもらえたような気がしました。涙が溢れて止まりませんでした

それは、私が今までずっと音楽に求めてきた感覚でした。そんな一言を感じさせてくれる音楽を、私はずっと目指してきました。

そして、彼に出逢えたことで、多くの方々と出逢い、少しずつ心を通わせて、みんなで一つのライブを作り上げることが出来ました。

「音楽は、心と心の距離を無くしてくれる。」
「音楽は、無条件の愛で、出来ている。」
「音楽は、勝ちや負けとは関係のない純粋なもの。」

それらのことに、改めて気が付かせて貰いました。

旭くんのお母さまや、周りのお友達も、みんな素晴らしい方々です。この出逢いは自分にとって、人生の宝物だと思っています。

誰かを応援したい。誰かの役に立ちたい。

この気持ちが世界を変えていくと思います。

私も、そんな風にアーティストとして、一人の人間として生きていきたいです!!!

メッセージ。本当に嬉しい。YUKAさんや皆さんの願いが叶うようにできることをやりたいと思った。

4.小児がんの子どもたちを応援したい

僕自身もYUKAさんとの関わりやチャリティーイベントを通して、小児がんの子どもたちのことがとても身近に感じられるようになった。

個人情報や状況として無理なのはわかっていたけれど、コンサート中に「病院 にいるみなさんは楽しんているかな〜?」のように MC の天野さん(キャイ〜 ン)増山さん(ニッポン放送アナウンサー)のお二人が話題にするたびに僕も子どもたちが喜んでいる姿がみたかった。

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かくいう僕自身も「自分の命」「人生」を感じながら生きるしかなかった時期が 8年間あるので、子どもたちがこれで笑顔になるならそれがどれくらいの助けに なるかがずっしりと感じる。

僕自身は精華学園高等学校を運営していたり、心理カウンセラーとして活動することが多いので「小児がん」にどこまで関われるかはわからないけれど子ど もたちの笑顔が少しでも増えるなら、、、「生きる」ことに少しでも役立てるなら応援して、関わっていきたいと思う。

そして、応援するという関わり方が本当は僕自身を勇気付けてくれたり、僕自身の人生を見せてくれると僕はこれまでの人生で思い知っているので、本当は 「関わることによって、僕自身の人生にも光を当ててください」と言っているような気持ちにすらなる。

5.精華学園高等学校のイベントとして

コンサートはチケットを買えば参加することができる。でも、「精華学園高等学 校の生徒さんたち是非来てください」といっていただくことはあまりない。精 華学園高等学校 町田校にも「音楽(作詞・作曲)」「ダンス」「エンターテイメ ント」に興味がある生徒がいる。

彼らの中には 1 年間にわたり、プロの作曲家さんに主に LINE で指導してもら いながら作曲をしてきた生徒もいる。最近は「君、いけそうだね!」と褒めて もらえるほどにまでなった。

また、精華学園高等学校の生徒は「誰かの役に立ちたい」という思いが強い子 が多い。

だからこそ、一流のアーティストが「誰かの勇気に」と作曲を続けた旭くんを 応援する場面を見て欲しかった。そして、小児がんでつらい思いをしている子 どもたちやその家族、友達を応援する文脈でアーティストがステージに立つと ころを見て欲しかった。

参加した生徒たちの感想

今回参加させていただいて、音楽には本当に力があるなと改めて思いました。

アーティストさんたちの歌声が、私の中に力として流れこんでくるような感覚があり、自然と涙があふれてきてしまう場面もあって少し恥ずかしかったです。

特に、YUKAさんの歌声は、YUKAさん自身の思い、旭くんの思いなどがたくさんたくさん詰まっていて、それがどっと押し寄せてきて本当に圧倒されもっともっと聴きたくなりました。

・・

普段聴かないの有名なアーティストの歌声が聴けて感動した。

YUKAさんのVTRで旭君本人を見れたから、美しい人をより感情深く聴くことができた。「ありのままで」という歌詞が印象的だった。

普段架空の人物や、創作として曲を作る自分に対して、YUKAさんは旭君に向けての曲、つまり現実を模倣して作っていた曲なので、聴いている瞬間に歌声や歌詞が旭君を想う気持ちが伝わってきた。

特別な経験を持っている人間ってその分野に対して普通より上なので、それを経験させてあげられる学校、素晴らしいと思います!
すごく刺激になりました!

・・

今回のコンサートの感想と言われて真っ先に出てきた言葉は「音楽は人を感動させるツールとして非常に優れている」でした。 それほど、僕は初めからずっと感動しっぱなしでした。

まだ客席が埋まる前、前座として出てきた人の歌声。自分の歌を全力で、精いっぱい誰かに感動を届けるために歌っているのがありありと伝わってくる、素晴らしい歌声。それに 「前座でこのクオリティー!?」とめちゃくちゃ驚き、同時に期待感が大きく膨らんだことをはっきり思い出せます。 それから出てきた人たちは当然というか、唖然というべきか僕の期待を大きく裏切っていました。もちろん、信じられないほど素晴らしかったという意味で。

プロの歌というのは、こんなにも人を感動させることが出来るのかと衝撃を受けました。 切なく、感動的なバラード曲からこっちも元気をもらえるような明るい曲まで。

それどころか、ほとんど音楽は関係なさそうなピコ太郎にも、僕の心は大きく動かされました。 それは今回のコンサートで舞台に上がっていた人たちは全員、名前も知らない誰かに向けて本気で歌っていたから。本気で感動させようとしてたし、本気で元気づけようとしてたし、本気で笑わせようとしていた。だから、歌に強い想いが乗っかって、こんなにも多くの人を感動させることが出来るのだと知りました。

今回ならば、それは小児がんの患者さんとその家族に向けてだったのでしょう。

僕は当事者ではなかったけど、
その端っこを貰えただけでとても有意義な時間を過ごせました。

中でも、
僕が一番感動したのはmoumoonのYUKAさんと小児がんを患った作曲家、旭君による『にじ』でした。正直、反則だと思いました。だってバックボーンがそもそも感動的なのに、歌も演奏もあんなに素晴らしい、感情的で感動的なものを見せられたら、涙がぽろっと零れるくらい仕方がないでしょう。本当に、本当に良かったです。

音楽には人を動かす力が、間違いなく存在します。そんな素晴らしい力で、小児がんの人たち、そして世界中の困難に立ち向かう人たちに真剣に寄り添う今回のコンサートのような活動が、これからもどんどん広がっていくことを祈っています。

同時に、僕自身も少しでもそんな活動叶うような人間になりたい。
そう、強く思いました。

6.生徒に学んでほしい「人生の時間」

私たちの周りには当たり前の生活が難しい人もいる。病気、貧困、被災、障害、 ハラスメント、、、言葉が当てはめられるのはまだマシな方なのかもしれない。 誰にも説明できない自分の弱点や癖で悩んでいたり、相談の仕方すらわからな い人もいる。

相談すれば 99%偏見で返されることを知っているから言わない人 も。

若者の自己肯定感

30歳以下の人たちの間で「自信がない」「自己肯定感が低い」という言葉をよく聞く。そして、自信がないから遠慮してしまったり、自信がないから入ってい けないという場面をよく見る。

「すみません」が口癖の人も多い。

そういう意味 ではかなり多くの人が「当たり前の生活ができているように装っている実は困 っている人」なのかもしれないとさえ思う。

年長者のオワコン感・老害

逆もしかりで 40 代 50 代やそれ以上の年代は積み上げてきたことが役に立たな くなることも多くなり、ついていけないこともあり、自分はオワコンではない かと悩む人も少なくない。

終わったのがコンテンツ(アニメは番組、ゲームな どを一般には指す)ならよいが人間が終わったと感じるのはとても悲しい。

これがエスカレートすると「老害」という言葉にまでなる。そういう人たちも「実は困っている人」ではないだろうか?

身の回りに潜んでいる「生きる」問題

そう考えると私たちの身の回りにはたくさんの「どう生きるか?」問題が隠れ ている。私たちは直視すべき「生きる」を見ないでやり過ごそうとはしていな いか?

一隅を照らすべきではないだろうか?

視野が狭い人たち

象徴的なのは電車。公共交通機関には闘病中の方や高齢者、気づかれにくい苦しい状態の人も乗る。

「そういう人がいるだろうな」と周囲を見渡すことも最近 はできない人が多い。ゲームやYouTubeが忙しいのだ。そういういう人に限っ て、自分自身が当事者になると「周囲の配慮が足りない」と声高に叫ぶ。

それが電車から社会全体になると「小児がんは自分には関係ない」「◯◯は自分 には関係ない」と個人的な世界や少人数のコミュニティに閉じる。 「社会参加し た方が良い」とか「助けてください」と言いたいのではない。

人生の時間

せっかくこの世に生を受けて、自分自身の人生の時間があるのに「生きる意味」 もわからずにゲームやYouTubeで良いのだろうか?旭くんが1秒を大事に曲を 作り続けた。YUKA さんが試験会場とステージを往復してでも両方をやりきっ た。「人生を生きている人」「人生を生きていない人」の二極化がどんどん進 行しているように思える。

目の前でおばあちゃんが困っている。目の前で不安で立ち止まっている人がい る。目の前で泣いている人がいる。目の前で「生きよう」と頑張っている人が いる。そこに光を当ててみてほしい。そこには自分自身を「生かす」大事なポ イントも隠されているからだ。

精華学園高等学校 町田校を運営していて思う。 生徒の生き方はどんな生き方でも良い。応援したい。

でも、中身がスカスカな生き方だけはしないでほしい。どんな一秒をとっても 自分自身の想いのもとに全力で何かをしてみてほしい。

ハワイ旅行 1 週間のチャンスがあったら、ダイビングして、美味しいものを食 べて、ショッピングをして、、何でも良いから自分なりに満喫してほしい。ハワ イの部屋にこもって 1 週間ゲームして帰ってくるのではハワイに行った意味が ない。人生もそれと同じだ。

旭くんからYUKAさんからそれを学んでほしいなと思う。

さあ、頑張ろう((´∀`*))

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