依存症講座@精華学園高等学校
精華学園高等学校 町田校にて「依存症」についての講演をしました。
1.依存性があるもの
かつては「この薬には依存性がありません」のようなやりとりがありましたが、最近では依存症の解明が進み、そういう問題ではないことがわかってきました。
講座では「依存性があると思われるもの」をみなさんに列挙してもらいました。
布団・こたつ:あるある。とくに冬なんかは出られなくなりますよね。
カレーライス:そういう人もいるみたいですね。
やさしさ:これはカウンセリングをしているとよく出てきます。
2.依存症への考え方の変化
依存症とは依存物質に侵されている状態ではありません。
古い考え方の人は依存物質をその人の周りから取り除けば良い。と考えて、ゲームを取り上げたり、お酒を取り上げて、その人の人生をボロボロにしてしまいます。「とりあげる」という行為はその人をさらに苦しめてしまうからです。
講座では
ここ10年でだいぶ様子が変わってきた「最新の依存症」の考え方や具体的な対処方法をご紹介しました。
3.依存症ビジネス
ビジネスの成功の秘訣は「リピーター」つまり依存させること。
そう考えるビジネスが増えています。病院、ゲーム、タバコ産業などは非常に上手に依存症の人を作り上げています。そしてビジネスをする側からしたら、安定した売上のためにもお客さんを依存させたいと考えてしまうものです。
同業他社が「依存症ビジネス」をし始めたら、それをしていない会社はいずれ潰れてしまいます。潰れないために依存させるか、社会を守るために潰れるか?なんだか苦しい世の中になっているなと感じます。
4.本当のことを知りたい
講義の中でご紹介した概念の一つに「欲求の質」の話がありました。
最近では「宣伝」「前評判」だけがやたらとよくて体験してみたらそうでもない商品が増えています。期待させるテクニックばかりで実がないのです。
そして、若者は言います。
「宣伝が嘘なのはわかった」「本当のことが知りたい」
残念ながら誇大広告や嘘のようなサービスが横行しているので本当のサービス。本当の商品は廃れていってしまいます。
最近では
洋服借り放題で月額数十円とTVで宣伝している会社がありますが、サイトを見ると3ヶ月後からは5800円と送料がかかるという。そういうのは「騙している」と私なら考えてしまいます。二桁の違う額を請求されるのですから、5800円だと宣伝すれば良い。でも、それじゃ売れない。
社会全体が「うそ」になってきているからです。
もう、健全な心地が良い、人を信用できる社会にはならないのでしょうか?
と不安に思ってしまいます。