講義のとき、間(ま)・声の使い方はどうしてますか?
新コーナー「椎名雄一に聞いてみた」では椎名の講義や活動について、私、玉木が思ったマニアックな疑問をぶつけています。私がみなさんの代わりに質問をしていますので、椎名に聞いてみたいことがある方は是非ご連絡下さい。(私への質問・応援メッセージもお寄せいただけたら喜びます!)
さて、記念すべき第一回目は「間・声の使い方」について質問してみました。
1.間の使い方のコツ
「椎名先生の講義を聞いていて間と声の使い方に工夫があるような気がしたんですけど、意識していることはありますか?」
「あるよ。
まず、僕が言ったことを皆さんが理解するまでに時間がかかるよね。つまり間があるよね。」
「はい。」
「その「理解の間」はいつも気にしているよ。この間を気にしないと、聞いている人が混乱してしまっていたり、置いてかれてしまったりしてしまう。そうなると聞いている人のモチベーションもどんどん下がってくるよね?」
「そうですね。」
「さらに、僕の話が進むにつれて聞いている人それぞれに講義に関連した出来事を思い出し始める。連想ゲームみたいにね。
つまり、具体的な出来事に関連付けて理解しようとするんだよね。何か日常的な場面を想起する。「想起の間」だね。
そうなってくると場の雰囲気が変わってくる。皆さんの魂が抜けてその場面に行ってしまう。真剣に聞いているのに心ここに在らずとなるよ。」
「私も椎名先生の話を聞いているときによくその「想起」をやっています。そこまで見抜かれてしまっていると思うとなんだか少し恥ずかしいですね。
でも、話題によっては全員がそうなるわけでもないですよね?」
「そうだね。想起できている人は深く考えてくれるし、そうでない人は暇ができて遊んでしまって飽きてくる。その差が広がりそうなタイミングで二人組を組ませているんだよ。そうすることで近いが全体に広がってくる。」
「そのタイミングで二人組を作っていたんですね!
同じ内容の講義なのに、二人組を作るタイミングが違うことも気になっていたんです。」
「僕は、僕の話を聞いてくれた人の生活を変えたいと思って話をしているから、習っても使えないんじゃ意味がないと思っているよ。
話す内容ももちろん大事だけど、受け取った人がどこまで理解して自分のものにしてくれるかが一番大事だと思っているよ。」
「その椎名先生の思いが、ああいった講義スタイルに繋がっているんですね
ありがとうございます。」
2.声の出し方
「では次に、声の出し方について聞いてもいいですか?」
「いいよ。」
「伝えることがお仕事である人、例えば政治家には政治家の話し方があって、弁護士には弁護士の話し方があったりすると思うんですけど、講演者 椎名雄一として、声の出し方について気をつけていることはありますか?」
「あえて言葉にするとしたら・・・講師主体の話、僕の経験を話すときは強めに、例え話をするときは弱めにしているかもしてないね。あと、覚えて欲しい言葉などは強めに言っているかなあ。」
「そういう使い分けなんですね。それはどうしてですか?」
「まず、僕の話を強く言うのは、僕が実際に経験していることだから。ここを弱く言ったら説得力ないよね。例え話に関しては何かを想起してもらうことが意図であることが多いから、強く言って強調する必要はない。読み聞かせのようになんとなく聞こえてくるくらいが良いときもあるよ。
1時間2時間と人の話を聞くわけだから、そう言った強弱も飽きさせないためにも大事だよね。」
「私も何度か講師として前に立たせていただいていますが、伝わって欲しいと言う思いが強くて、弱の部分を考えていなかったように思います。ただでさえ、与える人vs受け取る人の立場になってしまっているのにそれじゃ参加者さんたちの逃げ場もないですもんね。」
「そうだね。陰陽の陰の部分だね。
声の出し方、と言っても音量、発音、発声、テンポと色々あるよね。
例えば、テンポも気にしているな。考えて欲しいときはテンポを落として話すようにしている。相手が準備できていないのにいきなり「どうですか?」と聞かれても答えられないよね?それと一緒で、想起してもらうためにテンポを遅くする。これを間と捉えると、さっきの話にも繋がるかな。」
「ほんとだ!繋がりますね!すみません、この繋がりでもう一つ質問が思いついちゃったんですけど、いいですか?」
「何個でもいいよ!」
3.参加者さんに自然と入っていくコツ
「椎名先生は、参加者さんが二人組を組んで話している時間にそれぞれのペアに自然と入っていけますよね?
あれって意外と簡単なことではないと思うんです。
去年、先生は講師を育てていましたが、みんなその部分で苦労していました。話している人の輪にスッと入るコツがあると思うんです。
私が気にしていたのは、参加者さんの様子を見ることで、ノリノリのところには同じテンションで話しかけて、盛り上がりに欠けるところは「どうかしましたか?」という雰囲気で近づくようにしていたんですけど。」
「そうだね。大事なことだよね。それをするためには、玉木さんの言う通り、しっかり見ている必要がある。それは一番だと思う。
大縄跳びのタイミングみたいに入れる瞬間が必ずあるよ。」
「私は、自分が感じた感覚でやっているのですが、これをあえて言語化するとしたらどうなりますか?」
「こんにちは!と言われたら相手はこんにちは!と返すよね?そのときにこんにちは!と返す人が増えたら輪に入れそうじゃない?
一方の人の意見を聞いて、もう一方の人がなるほど!とかそうなんですね!と返す瞬間なんかは狙い目だね。そうなんですねが2人に増えても違和感はない。」
「確かに!そういうタイミングありますね!」
「あとね!姿勢、呼吸のモーションを盗んで合わせるんだよ。それはね・・・
「あー、教えてもらったけど私は全然できてないところだ・・・
先生、そろそろお腹いっぱいです。今回はこの辺にしましょう!
次回のインタビューの時にまた詳しく教えてください!」